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税務トピックス 記事

■2022年9月15日

在宅勤務 今後どうする?

 

◆約1割の企業は在宅勤務を実施

 2022年6月時点で在宅勤務を実施していると回答した企業は29.1%でした(東京商工リサーチ調査)。2021年10月時点の同じ質問の回答結果より8%低下しています。

 内訳をみると大企業の57%に対して中小企業では約24%と大きな差となっています。

実施企業では約1割の従業員が実施している企業が大企業・中小企業とも最多となっています。

 

◆在宅勤務取りやめも

 中小企業では「新型コロナ以降も、1度も実施していない」企業は48%もあるのが特徴です(大企業では約16%)。

 現場仕事などでリモート勤務しにくい、設備投資が大変、導入にハードルがある等、理由は色々かと思いますが、そもそも半数近くは導入していませんでした。導入後「実施したが取りやめた」とする企業は企業規模にかかわらず約27%でした。この調査結果では取りやめの理由はわかりませんでしたが、在宅勤務での生産性や働いた評価等判断が難しい、コミュニケーションが不足する等の理由もあるでしょう。

 

◆DX化は今後も進む

 コロナ禍で、業務のやり方を変えなくてはならなくなったことで否応なしにDX化が進んだ面もあるでしょう。

ある意味で政府による働き方改革の取り組みを進めたとも言えるかもしれません。働き方改革に取り組むより、働く人々の意識を変えたかもしれないと言えます

 

◆効果や課題を見直しておく

 新型コロナによる企業活動への影響は既に収束とする企業も一定程度は有り、求人をかけても人手が不足している所も出てきています。

 今後もコロナ禍の時に行った業務改善、得られた効果を継続して行くことが労働環境の改善につながり、結果として人材確保等に有効に働くものと思います。

在宅勤務を始めてみて問題点や良い点等色々あったことでしょう。元に戻すにしても続けるにしても、その効果や課題について検証しておくことが今後の業務に活かされることでしょう。

 

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年9月15日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年9月15日

財産債務調書制度等の見直し

 

◆財産債務調書とは?

 令和4年度税制改正において、令和5年分以後の「財産債務調書」の提出義務者・提出期限などについての見直しが行われました。  財産債務調書は、

① その年分退職所得を除く各種所得金額の合計額が2,000万円を超える方

② ①の方の中でその年の12月31日において、合計額が3億円以上の財産又は1億円以上の有価証券や未決済信用取引等の国外転出特例対象財産を有している方

③ または、その年の12月31日において、10億円以上の財産を有する方 が提出義務者となっている、財産の種別や数量、価格等を税務署に知らせるものです。

③については令和4年度税制改正において追加された事項になります。

 

◆改正で柔軟化

 提出期限については翌年の3月15日が6月30日へ延長されました。また、記載を簡略化できる範囲が拡大されたものがあります。  家庭用動産については改正前は取得価格が100万円未満の場合、記載を省略できましたが、改正後は300万円未満に拡大されました。

 事業用の未収入金や事業の用に供する未払金等は、100万円未満であれば件数や総額で記載してよいとなっていたものが、改正後は300万円未満となりました。 預入高が50万円未満の預貯金口座については、預入高の記載を省略可能になりましたが、その場合は備考欄等に口座番号の記載が必要です。

 

 

◆アメとムチは変わらず

 財産債務調書を提出期限内に提出した場合には、調書に記載がある財産債務に関して、所得税等・相続税の申告漏れが生じた場合、その財産債務に係る過少申告加算税等が5%軽減されます。

 逆に、調書を提出期限内に提出しなかった場合や、提出された調書に記載すべき財産債務の記載がない場合、所得税等の申告漏れが生じた時は、その財産債務に係る過少申告加算税等が5%加重されます。

 

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年9月15日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年9月5日

ふるさと納税 寄付額が過去最高

 

 

 任意の自治体に寄付をすると住んでいる場所で税優遇を受けられる「ふるさと納税」制度に基づき、2021年度に全国の自治体が獲得した寄付金の総額が8千億円を超え、過去最高を更新しました。前年度の6725億円から1千億円以上伸びたことになります。長引くコロナ禍で巣ごもり需要が増え、地方の特産品だけでなく、日用品や食料品などの返礼品も人気を集めています。

 

 21年度の寄付総額は8302億円。制度が始まった08年度の100倍超となります。寄付件数も4447万3千件で過去最高を記録。納税額が最も多かったのは、北海道紋別市で152億9700万円。宮崎県都城市が146億1600万円、北海道根室市が146億500万円と続いています。

 ふるさと納税制度は、任意の都道府県・市区町村に寄付をした場合に、今住んでいる場所で納める所得税や個人住民税から税額控除を受けられる制度。地域間の財源格差の是正や、生まれ育った故郷を応援したいという声を受けて始まりました。開始当初の利用は伸び悩みましたが、11年に発生した東日本大震災をきっかけに、被災地への復興支援の新たな形として認知度が拡大。その後、各地の特産品を実質2千円で受け取れる返礼品の人気が爆発し、同制度を利用した寄付金額は、返礼品を規制した19年度を除き、右肩上がりで増え続けています。

 

 

 1月1日から12月31日の間に行われた寄付額が次の年の住民税などから差し引かれる仕組みのため、来年に税優遇を受けたければ年内に寄付を済ませる必要があります。年末が近づくにつれて「今年分の寄付を済ませておかないと」と考える人は多くなるので、年の瀬ともなると各ポータルサイトにはアクセスが殺到します。そうでなくても人気の返礼品は数に限りがあるため、秋ごろになれば目当ての返礼品が〝品切れ〟ということもざら。ここは賢く、今のうちにふるさと納税をゆったり行うことも検討したいところです。

 

<記事提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年9月5日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年9月5日

副業節税に「待った」

 

 コロナ禍で増えたサラリーマンの副業を巡り、赤字を作って給与所得を減らす節税スキームが規制される見通しです。国税庁は8月に所得区分の見直し案に対するパブリックコメントの募集を実施しました。

 

 見直しの対象となっているのは、事業所得と雑所得の税務上の扱いの違いを利用して所得を減らす手法。10種類ある所得区分のうち、サラリーマンが行うような副業は主に「雑所得」となりますが、継続性や規模によっては「事業所得」となります。雑所得であれば、他の所得との損益通算ができません。一方、事業所得と認められれば、他の種類の所得で出した損益を通算することが可能。そのため、副業の事業所得で経費を多く計上してあえて赤字を出すことで、給与所得と通算して税額を減らすケースが散見していました。

 

 国税庁が今回パブコメとして公表した案は、副業収入が300万円を超えないかぎり、原則として雑所得として扱うというもの。今年分の所得税から新たな扱いを適用するとのことです。

 

 注意点としては、あくまで「300万円基準」は原則で、絶対ではないということ。300万円を超えなくても事業実態が伴っていれば事業所得と認められる可能性もある一方で、超えたからといって必ず事業所得になるわけでもありません。

 

 改正案に対する意見の募集は8月31日に締め切られました。寄せられた意見によっては微調整が加えられることがあるものの、おおむね今回公表された改正案で新制度がスタートする見通しです。

 

<記事提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年9月5日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年8月25日

交際費と社内飲食費

 

◆交際費制度はそのまま延長

 令和4年度税制改正で、交際費の損金不算入制度および接待飲食費に係る特例については令和2年度の改正内容を踏襲し、そのまま2年間延長することとなりました。

 

①支出する交際費等の額のうち接待飲食費(1人当たり5,000円を超える分)の額の50%相当額は損金算入

②資本金又は出資金の額が1億円以下の中小企業は支出する交際費の額のうち年800万円までは損金算入

※中小企業はどちらかを選択適用

「①について、資本金の額等が100億円を超える法人を除外」も据え置きです。

 

◆飲食費は社内・社外で対応が異なる

 資本金1億円超の企業であっても、社外への接待飲食費については1人当たり5,000円以下の飲食であれば税務上交際費に含めず、全額を損金にできます。また、自社の役員・従業員・親族に対する接待等のために支出するものは、5,000円以下であっても交際費に該当します。ただし、社内の「(参加の可否はともかく)社員全員を対象とした忘年会等」の飲食費については、社会通念上妥当な金額であれば、福利厚生費として扱います。

 「社内飲食費」なのかが微妙な判定も、国税庁のQ&Aで例示されています。親会社の役員や、グループ内の他社の役員等に対する飲食費、同業者同士の懇親会等で支出する自己負担分の飲食費については、「社内飲食費」には該当しません。こういった場合は1人当たり5,000円以下であれば税務上交際費には該当せず、全額損金算入が可能です。

 

◆では、出向者の飲食費はどうなる?

 出向者の場合は、その出向者が出向先法人の立場で飲食等の場に出席したか、出向元法人の立場で出席したかにより、判断することになります。  例えば、親会社からの出向者が出向先の子会社の役員等を接待する会合に、子会社の役員等の立場で出席しているような場合に支払う飲食代は、「社内飲食費」には該当しません。他方、出向者が親会社の懇親会の席に、あくまで親会社の社員等の立場で出席しているような場合に支払う飲食代は、社内飲食費に該当することとなります。

 

 

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年8月25日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年8月25日

年金の種類と所得金額計算

 

◆たくさんの「年金」、どれを使ってますか?

 近年、老後資金への関心から、iDeCo(個人型確定拠出年金)等の私的年金の流行が起こりました。「年金」といっても、数多くの種類があり、混同しがちです。所得金額算出の観点から分けて確認してみましょう。

 

◆公的年金等控除が適用される年金

 公的年金等は、年金の収入金額から「公的年金等控除額」を差し引いて所得金額を計算します。この雑所得となる公的年金は、 ①国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金

②過去の勤務により会社などから支払われる年金

③外国の法令に基づく保険または共済に関する制度で①に掲げる法律の規定による社会保険または共済制度に類するもの

と規定されています。

「公的」と名がついているので企業年金は異なると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、企業年金も年払いで受け取る場合は、公的年金等控除が適用される年金です。

公的年金等控除が適用される年金を例示すると、基礎(国民)年金・厚生年金・企業年金・国民年金基金・確定拠出年金等です。ただし、企業型確定拠出年金やiDeCo、一部の企業年金等は、「年金として受け取る(公的年金等控除適用)」か「退職所得として一時金で受け取る(退職所得控除適用)」かの選択が可能です。税額や健康保険料に鑑みると有利不利があるので、他の退職金や年金の有無、その他の収入見込みやライフプランを考慮する必要があります。

 

 

◆非課税の年金

 病気やケガで障害が残った場合などに支給される「障害年金」や、国民年金・厚生年金の被保険者が亡くなった場合に、その人に生計を維持されていた人に支払われる「遺族年金」は非課税所得です。

 

◆公的年金等控除が適用されない年金

 個人年金保険の年金については、公的年金等控除が適用されません。所得区分は公的年金と同じ「雑所得」ですが、確定申告書上で記載すべき欄は「公的年金等」ではなく「その他」の雑所得となります。

 個人年金の所得金額は、その年に受け取った金額から積み立てた額を引いた額です。

 

 

 

 

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年8月25日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年8月12日

改修ローン型の控除は終了 投資型減税制度等の改正

 

◆住宅ローン控除の陰で改

 令和4年税制改正では、住宅ローン控除が大きく変更され、話題になっています。その一方、住宅ローン控除を受けられない場合の新築やリフォームに対する減税制度についても、少し手が加えられています。

◆投資型減税とは

住宅ローン控除はローン返済期間が10年以上あるものに適用されます。合計所得金額3,000万円以下等の要件はありますが、家を購入・改築した際に短い期間のローンや現金払いの方でも利用できる可能性があるのが、投資型減税制度です。投資型減税制度の場合、控除されるのは原則1年のみとなっており、控除対象限度額も住宅ローン控除に比べると低いのが特徴です。

 なお、住宅ローン控除を受けられる人が投資型減税を選択することもできますが、住宅ローン控除と投資型減税の併用はできません。

 

◆新築住宅に対する投資型減税の改正

 新築の住宅については認定長期優良住宅・認定低炭素住宅が従来対象となっていましたが、令和4年の改正で特定エネルギー消費性能向上住宅(ZEH水準省エネ住宅)も対象になりました。控除対象限度額は650万円、控除率は10%で、改正前と変わりはありません。

 

◆特定の改修をした際のローン控除はなし

 バリアフリー・三世代同居・省エネ改修を、ローンを受けて行った場合に選択可能な「リフォーム支援のローン型税額控除」については、令和3年12月31日で終了となりました。

 ただし、投資型の税額控除については「ローンの有無にかかわらず利用可」となっているため、令和4年以降も継続される既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の投資型減税に統合される形となります。ローン型の減税では5年間だった控除期間が1年で終了(所得税額が0円になり、引き切れない場合は翌年持ち越し)となります。

 

◆改修投資型減税から見れば拡充

 令和4年からの改修工事をした場合の投資型減税の控除限度額は、必須工事の他に「対象工事限度額を超過する部分」と「その他のリフォーム工事」についてもある程度控除が適用されることになったので、改正前と比べると全体の控除限度額は拡大することとなります。

 

 

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年8月12日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年8月12日

金地金の譲渡所得課税

 

 

世界的な資源価格の高騰で、金相場はうなぎのぼりです。相続で取得した金地金を換金して生活費の補てんにあてたいとき、売却代金に対する税金と、保険料の負担が気になるところです。

◆譲渡所得に課税

 金地金の売却は、建物、株式の売却と同様に、譲渡所得に課税されます。譲渡所得は、金地金の売却代金から取得費(取得時の手数料を含めます)と譲渡費用を控除し、さらに最大50万円の特別控除を行い、所有期間が5年を超える譲渡は、その2分の1を事業所得や給与所得など、他の所得と合算して総合課税の対象となります。

 なお、相続税の申告期限から3年以内の売却であれば、相続税の一部を取得費に加算する特例があります。

◆相続税と譲渡所得税は、2重課税?

 金地金を相続したとき、相続税がかかったのに、売却するときに譲渡所得に課税されるのは、2重課税ではないかと思うかもしれません。しかし、相続税は、取得した財産に相続時の時価で課税され、譲渡所得は、財産の売却により実現したキャピタルゲインに課税されますので、2重課税とはならないとされています。

 

◆取得価額が不明のときの概算取得費

 譲渡所得は、財産を取得してから売却するまでに増加したキャピタルゲインに課税されますので、被相続人の取得価額を使用することになります。このとき、被相続人の取得時の記録が何も残っていない場合、売却価額の5%相当額を取得費(概算取得費)として譲渡所得を計算できます。

 なお、金地金を購入した店がわかれば、購入履歴が残されている場合もあります。もし、記録がない場合は、金地金に刻印された製造番号から製造時期の相場を調べることもできるかもしれません。金相場は、ここ20年、右肩上がりで推移しており、取得時期は製造時期より後になりますから、製造時期の取得価額が5%相当額(概算取得費)より高ければ、取得費として使える可能性もあります。

 

◆翌年の保険料の負担に注意!

 譲渡所得は、総所得金額や合計所得金額に含まれますので、翌年の国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料が増加します。保険料の算定式は、市区町村で公開されています。売却収入に対し、手取り額がいくらになるか、事前に調べておきましょう。

 

 

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年8月12日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年8月4日

令和4年10月改正 キャリアアップ助成金

 

◆正社員化コースに大きな変更点があります

この助成金は9年前に創設された助成金です。今まで正社員化コースを申請していた企業が昨年までと同様に支給申請しても審査で通らず、不支給となる事態が発生しそうです。十分ご注意ください。

◆令和4年10月1日以降の転換に適用

①大きな変更点は、転換対象となる正社員の条件が厳しくなります。

・現行……同一の事業所内の正社員に適用される就業規則が適用されている社員

・改正後……上記社員のうち「賞与又は退職金の制度」かつ昇給が適用されている社員

 

今までは、正社員に転換した後の労働条件通知書で「賞与」「昇給」が「有」となっていなくても助成金は支給されていました。

しかし令和4年10月1日以降に転換される正社員については「賞与又は退職金」かつ「昇給」が労働条件通知書で「有」になっていないと助成金は支給されません。就業規則にもいつ支給するのか明示されている必要があります。

 

「賞与」と「退職金」の両方ない会社が「退職金を新設するのは資金繰り上難しいと思われますので、「賞与」「昇給」の組み合わせを選択される企業が多いと予想されます。

 

②非正規雇用社員の定義が変更されます。

・現行……6か月以上雇用している有期又は無期雇用社員

・改正後……賃金の額又は計算方法が「正社員と異なる雇用区分の就業規則」の適用を6か月以上受けて雇用している有期又は無期雇用社員

 

今までは非正規社員の定義があいまいであったので、転換前6か月の有期雇用社員又は無期雇用社員の間に「正社員とは異なる雇用区分」の就業規則等が適用されていることが転換の条件になりました。

したがって令和4年10月1日以降に正社員に転換する場合、令和4年4月1日から「正社員と異なる雇用区分の就業規則」の適用を受けている必要があります。ここを正社員と同じ雇用区分の就業規則を適用すると不支給になる可能性があります。対策として正社員用と別に非正規社員用の就業規則を作成しそれが正社員とは異なる雇用区分であるとしておくことです。もちろん2つに分けるだけでなく両者の違いが判る賃金体系にする等の変更が必要になります。

 

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年8月4日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年8月4日

退職日を月末にしない場合の損得と留意点

 

◆社会保険の資格喪失日?

 社会保険で被保険者の資格を喪失する日は、原則、その事実があった日(「退職日」)の翌日となります。

会社や社会保険適用の個人事業所の従業員・役員が退職する場合、退職日が月末であれば、その月まで社会保険が課されます。給料からの社会保険料の控除を翌月としている場合は、退職月には2か月分の控除となりますので、給与計算では留意が必要です。

 

◆社会保険料vs国民健康保険料・国民年金

 社会保険の資格を喪失した場合、自身で住所地のある市区役所に出向き、社会保険から国民健康保険・国民年金への切り替え手続をしなければなりません。この切り替えを失念すると、健康保険が適用されず、その月は全額自己負担となってしまいます。

 仮に月末の一日前に社会保険を喪失させた場合でも、その月の初日から適用されないこととなりますので、その月の退職日までに病院にかかった分は全額自己負担となってしまいます。

なお、国保への切り替えをしなかった場合で、「健康で病気もしなかったから1か月健康保険に入らないで得した」と短絡的に考えるもの禁物です。空白期間に、国民年金、国民健康保険の切り替え手続をしないと、未納期間がひと月発生することとなり督促の対象となります。そうすると、障害年金の受給要件を今後1年間満たさなくなります。万一の際に障害年金の受給ができなくなりますので、空白期間のないように、国民年金、国民健康保険の手続をおこなうことです。

 

◆退職日は総合的に長い目で考えて決める

 社会保険の方が、国民健康保険・国民年金に比して、概して負担が高額です。そのため、月末の前日に退職してその月に社会保険が掛からないようにするとお得と考える方もいらっしゃいます。しかしながら、社会保険料は月々の負担が高額な分、将来もらえる年金の額も国民年金に比して高い金額となっています。  また、社会保険は、本人と会社でほぼ50%ずつでの負担ですし、配偶者が第3号被保険者であれば基礎年金部分も社会保険なら支払っていることになっています。国民年金負担となれば、配偶者の分も1人分の国民年金保険料の負担が発生します。

 短絡的に目の前の低い負担の方を選んでしまうことなく、よくよく考えて決めることです。

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年8月4日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年7月22日

残業代が変わる!来年4月から

 

◆割増率が変わることをご存じですか?

 現行では法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超える時間外労働(法定時間外労働)に対して事業主は25%以上の率で計算した割増賃金を支払うこととなっています。

 2023年4月から中小企業も月60時間を超える時間外労働は割増率が引き上げられます。すでに大企業は2010年4月から適用されていた割増率ですが、長らく猶予期間が適用されていた中小企業においても、いよいよ2023年4月からは月60時間超えの残業の割増率が現在の25%以上から50%以上に引き上げられます。

 例えば時給1200円の方が残業すると時給は1500円ですが、その方が60時間以上の残業をすると時給1800円となります。60時間を超える時間外労働を深夜(22時から5時)に行う時は75%割増しになります。

 恒常的に残業が60時間を超えている事業所は考えなくてはならないでしょう。 さらに、2022年4月からの残業代未払いに対して遡及支払いが2年から3年に延びていますので、残業が多い事業所は対策を考える必要があるでしょう。

 

◆今から対策をたてる

①月60時間を超える法定時間外労働を行った労働者の健康確保のため、引き上げ分の割増賃金の代わりに有給の代替休暇を付与することができます。

②労働時間の適正な現状把握をする。

 勤怠管理システムの導入などで勤怠管理をする。長時間労働を是正管理する。

③リモートワークで管理者が現場にいない時は自己申告になりますが、自己申告とパソコンの使用時間が違っているか、上司管理職は労働時間の上限を設けず、法定労働時間の上限を超えているようであれば、習慣的に行っていないか注意をする必要があります。 ④割増率の引き上げに併せて就業規則の変更が必要な時があります。 勤怠管理システム導入や就業規則改定費等に「働き方改革推進支援助成金」や「業務改善助成金」等、環境整備に必要な費用の一部が助成される制度があります。

 

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年7月22日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年7月22日

今年の改正税法 インボイス事業者即時登録

 

◆今年の消費税法の改正とされた条文

 今年の税制改正は、「所得税法等の一部を改正する法律」という全20条の一括法(所謂束ね法)でなされています。この中での消費税法の改正は、第7条で消費税本法の改正、第20条で平成28年の改正税法の消費税部分(第5条)の中の未施行条文とそれに関連する附則条文の改正をしています。

 平成28年の消費税改正はインボイス制度の導入立法です。その時の附則の規定としては、令和5年10月1日から、インボイス制度が開始されるので、当初からインボイス(適格請求書)発行事業者になるためには令和5年3月31日までに登録申請をすること、それ以後においては、特に、免税事業者がインボイス発行事業者になるには、新規に課税期間となる初日以前1月前の日までに、登録申請書を提出すること、としていました。

 

◆今年の改正で6年間の延長と即時登録に

 今年の税制改正で、免税事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に行うインボイス発行事業者になる為の登録では、任意のタイミングでよいこととし、その登録で即時にインボイス発行事業者の資格を得られることと改正されました。  この登録には、課税事業者選択届出書の提出は不要です。

 

◆2年縛りと3年縛りの制限

 今年の改正の結果、任意での即時登録者には、登録日の属する課税期間の翌課税期間と翌々課税期間においては消費税の免税事業者に戻る選択が出来なくなりました。なお、令和5年10月1日を含む課税期間での登録者には、改正前のまま、この2年縛りの制限はありません。

 また、調整対象固定資産(100万円以上)を取得した場合の3年縛りの制限は、即時登録した元免税事業者にはありません。理由は、3年縛りの規定が、「課税事業者選択届」を提出した者を対象とするからです。 同じ3年縛りでも、高額特定資産(1000万円以上)の取得の場合には、「選択届」提出者との限定がないので、制限ありです。

 

◆税法本法の規定なのに

 措置法的な、令和5.10.1~令和11.9.30というインボイス登録時限規定は、消費税法本法本文上の規定としては不自然です。

 その通り、これは本文規定ではなく、附則の規定、それも平成28年改正税法の中の附則第44条についての本年改正規定です。

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年7月22日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年7月8日

今年の改正税法 縮減されない住宅ローン控除

 

◆住宅ローン控除の今年の改正内容

 ローン返済の利息の支払額よりも控除額が多い状態、逆ザヤ状態が会計検査院の指摘で問題視されていました。消費税率10%引上げに伴う措置期間も終了でした。

 それらへの対応として、控除率が1%から0.7%に減少となり、所得要件も3000万円以下から2000万円以下となり、控除対象年末借入金残高限度額も4000万円から2000万円(新築等で2023年末入居までなら3000万円)に縮減となり、控除期間13年も10年(新築等で令和5年末入居までなら13年)に短縮となりました。 しかし、これらの縮減の例外があります。

 

◆非縮減その1 カーボンニュートラル住宅

 2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指すため、省エネ性能の高い認定住宅の新築等に限り、住宅ローン控除の借入限度額を、令和5年末入居までなら5000万円(エネルギー消費性能向上住宅については4500万円又は4000万円)に増額、令和7年末入居までだと4500万円(エネルギー消費性能向上住宅については3500万円又は3000万円)に増額、控除期間も13年とされます。

 

◆非縮減その2 コロナ税特法

 昨年の住宅ローン控除関係の改正税法は、コロナ税特法で立法されています。そこでは、令和3年9月30日までに契約した新築注文住宅、令和3年11月30日までに契約した分譲住宅・中古住宅の取得と増改築等、これらを令和4年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合には、縮減前の昨年の制度がそのまま適用になります。

 

◆コロナ税特法の規定が措置法で新設

 今年の税制改正大綱の中に、合計所得金額1000万円以下の者に限り床面積要件を40㎡に緩和する、と書かれています。しかし、昨年の税制改正大綱にも、合計所得金額1000万円以下の者については床面積40㎡から50㎡までの住宅も対象とする特例措置を講ずる、と書かれています。

 床面積要件の緩和は、既に昨年に措置済みのことなのに、少し変ですね。 これは、昨年は特別にコロナ税特法での措置としたが、今年は通常通りの租税特別措置法での措置として新設立法としたことの意味のようです。ただ、両規定で期間がかぶっているところがあるので、上記の「非縮減その2」が生じているわけです。

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年7月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年7月8日

固定資産税をクレカ納税で!

 

 毎年この時期になると、固定資産税の納付書に記載された金額を見てゆううつになる人も多いでしょう。とはいえ税金は納めなくてはなりません。できるなら「クレジットカード納税」をすることで、せめてポイント分を取り返したいところです。

 

 クレカ納税はその名のとおり、クレジットカードによる引き落としで税を納める方法。そのメリットは何と言ってもクレカのポイントが付いてくることにあります。クレカ納税できる額には上限はあるものの、その上限は手続き1回ごとの額のため、複数の税目をクレカで納めれば、それだけで1年間の取得ポイントが数十万円分になる可能性もあります。

 

 ただ気を付けたいのは、クレカ納税は全自治体、全税目で受け入れているわけではないということ。特に固定資産税は納付先が市町村であるため、その扱いにバラツキが大きいのが現状です。クレカ納税をする際には、まず自治体のホームページなどでクレカ納税を認めている税目をチェックしておく必要があります。

 

 もう一点留意すべきなのが、クレカ納税では一定の手数料がかかるという点です。例えば国税であれば税額1万円ごとに83円の手数料が発生します。東京都なら80円。この額は自治体によって決して少なくない差があり、例えば仙台市では5千円まで55円、1万円まで110円などとなっています(すべて税込)。自分の自治体では還元率何%のカードを使えばトクをするのか、忘れずに確認しましょう。

 

 

 

<記事提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年7月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年6月28日

今更ですが残業手当の計算方法について

 

◆勘違いしやすい残業計算のポイント

 時間外労働や休日労働をさせた場合に原則的にいわゆる割増賃金(残業代)を支払うことになりますが、その計算方法において正しく理解しているとは限らず勘違いして計算しているケースがあります。

 

◆割増賃金の算出時に除外できる賃金

 給与の時給単価を計算する際には基本給と各種手当も対象です。しかし労働と直接的な関係が薄く個人的事情に基づいて支給されるもので、対象から除外できる賃金があります。

 ア、家族手当、イ、通勤手当、ウ、別居手当、エ、子女教育手当、オ、住宅手当、カ、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金、このうち家族手当と通勤手当、住宅手当は、名称が同じであっても一律支給等である場合等は除外できません。

 

他によくある間違いは、皆勤手当や管理職手当も含めて計算しなければならない点です。管理職手当が割増賃金を含んでいるならば給与規定や雇用契約書に時間外労働の対価であることが明記され何時間相当分かその時間を上回ったら差額を支払うこととなっているかなどの条件があります。このような条件を満たしてない場合は除外されません。また、管理職手当全額が残業代の時は本来の職責部分の扱いはなく、定額残業代と同じ性格を持つと言えるでしょう。

 

◆時間外労働の時間数の集計方法

 1日の労働時間は1分単位で計算します。1日単位の切り捨ては認められていません。1か月を集計し切り捨てる場合は労働時間を通算して30分未満の端数が出た時は切り捨て、30分以上の端数は1時間に繰り上げすることは認められています。割増金額に1円未満の端数が生じた場合や1か月間の割増賃金に1円未満の端数が生じた時は「50銭未満は切り捨て、それ以上は切り上げ」ることができます。

 

◆1時間当たりの単価の算出方法

 月給制の方の算出方法は、月給÷1年間における1か月平均所定労働時間=時給単価が出ます。

 1か月の所定労働時間の算出は365日から年間所定休日を除いて年間所定労働日数を出し、その年間労働日数に1日の所定労働時間を乗じて12で割ると1か月の平均所定労働時間が算出されます。

(注意)
上記の記載内容は、2022年6月28日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年6月28日

会計検査院とはどんな組織なのか

 

◆税制改正に会計検査院の指摘対応

 令和4年度の税制改正にて、住宅ローン控除の大幅な見直しが行われましたが、発表等を見ると「会計検査院の指摘への対応」という文言があります。

 低金利の下、実際の住宅ローン控除の借入金利が令和3年までの住宅ローン控除の控除率である1%を下回っている、と指摘をしたのは会計検査院です。普段聞きなれないこの「会計検査院」はどんな組織なのでしょうか。

 

◆会計検査院の仕事

 会計検査院の仕事は簡単にいうと「国やその周りの組織の経理・財務を監督する」ことです。また、国の決算を確認するという職責も負っています。

 会計検査院という組織は明治22年(1889年)、大日本帝国憲法が発布されるとともに、憲法に定められた機関になり、財政監督を行ったのがはじまりです。その後の日本国憲法にも第90条にて規定がされています。ちなみに憲法に「会計検査院」という名称が明示されているため、名称を変えるには憲法改正が必要となります。

簡単に経理や財務の監督といいましたが、その内容は多岐にわたります。例えばODA(政府開発援助)の検査や、医療費・年金の検査、消費税の検査や入札・契約手続きの検査等です。各項目について徴収不足や不正・誤りがないか、法令や制度に改善点はないか等をチェックし、不適切なものを発見したときには、指摘のみにとどまらず、是正や改善を要求する権限があります。

 

◆近年ではコロナ関係の検査も

 近年では国の財政に大きくかかわる新型コロナウイルス感染症への対策費や感染症対策等による財務への影響についてなどもレポートしており、一部報道などで話題に上がった陽性者接触確認アプリ「COCOA」の不具合対応について、厚生労働省に対して是正改善の処置を求める内容を公開しています。

 国会や裁判所に属さず、内閣からも独立した憲法上の機関として、様々な内容をチェックする会計検査院。「国の税務調査を行う税務署」みたいな印象を持ちますね。

 

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年6月28日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年6月23日

自動車税の未納に注意

 

 「自動車税」や「軽自動車税」は、毎年5月31日が納期限です。まだ納めていない人がそのまま納めないままでいると、数カ月経ってから突然多額の延滞税を請求される可能性もあるので注意が必要です。

 

 自動車税は水道や電気料金に比べれば額が大きいため忘れることは少ないかもしれませんが、毎年の自動車税の期限内納付率は8割ほどと、5人に1人は期限内に納めていないことがわかっています。もし滞納してしまうと、延滞金の利率は納期限から1カ月は2.4%、それを過ぎると8.7%と決して低くありません。

 

 ただ納期限を1日でも過ぎてしまったら延滞税が発生するのかと言えばそんなことはありません。延滞税は1000円未満を切り捨てるというルールがあるためです。納期限を過ぎてもしばらくは延滞税が発生せず、その額が1000円以上になった瞬間に納付義務が発生することになります。

 

 自動車税だと、排気量1500ccの自家用車であれば、納期限から4カ月ほど経った10月の中旬に延滞税の納付義務が発生する計算。税額の低い営業用車であれば延滞税の発生日も遅くなりますが、トラックなどは排気量が多い分、延滞税も早くかさみ、営業車でも大型トラックであれば9月ごろに延滞税の納付義務が発生する可能性もあります。

 

 複数台持ちならば、それだけ延滞税も高額になり、予想外に早く延滞税が課されてしまいます。いらぬ税負担を増やさぬよう、しっかり期限内に納付するようにしたいところです。

<記事提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年6月23日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年6月23日

雨漏り対策は経費になる?

 

 今年も梅雨のシーズンとなりました。ウェザーニュースの予想によれば、梅雨明けは平年より早めと、全国的に短い梅雨になるそうです。

 

 梅雨といえば、古い建物では雨漏りの心配をしなければなりません。もし雨漏りが見つかれば当然修理が必要になりますが、会社のお金で雨漏り対策を講じた時には、全てが修繕費として経費にできるというわけではないので注意が必要です。

 

 国税庁は、会社の損金(経費)にできる修繕費を「資産の維持管理や原状回復のために要した」費用と定義しています。一方で、雨漏り対策として支出したものでも「使用可能期間を延長させ、価値を増加させる」費用については資本的支出として損金化を制限しています。

 

 ある会社は、自社が所有する建物に雨漏りが絶えなかったため、屋根に全面的な水漏れ補修工事を行い、修繕費として計上したところ否認されました。国税不服審判所まで争ったものの決定は覆らず、その理由は、建物が「傾斜のある屋根」だったことを踏まえ、「傾斜のある屋根に対しては雨漏り箇所に個別対応することが可能だったにもかかわらず、全体を工事したのは資本的支出に当たる」と判断されたからだそうです。この建物は20カ所以上が雨漏りをしていたにもかかわらず、です。

 

 修繕費に該当するか否かは、納税者と国税の争いになりやすいのが実情です。素人考えで決めつけず、税理士など専門家の判断を仰ぐようにしたいところです。

<記事提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年6月23日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年6月9日

領収書と印紙税

 

◆領収書と領収証

 「領収書」と「領収証」はどちらも「民法上の受取証書=現金・商品を受け取った事実を証明する書類」という同じ意味合いを持つ言葉ですが、一般的な市販品では「領収証」という記載が多くなっています。ただ印紙税法では、「領収書」を領収証・レシート・受領書等の総称として使っている感があります。本文でも以下総称として「領収書」といたします。

 

◆領収書と印紙税

 領収書は、印紙税法の印紙税額一覧表の第17号文書「金銭または有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。したがって、「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」はもちろんのこと、受取事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」、「相済」とか「了」などと記入したものや、お買上票などでその作成の目的が金銭または有価証券の受取事実を証明するものであるときは、金銭または有価証券の受取書に該当します。この17号文書に該当した場合は、記載された金額により印紙税がかかります。10億円を超える金額では20万円の印紙税がかかります。

 

◆売上代金以外の領収書

 売上代金として受領した「領収書」は前述の通り、その記載された金額により印紙税がかかりますが、売上代金以外の「領収書」は5万円未満のものは非課税で5万円以上のものは200円の印紙税という区分だけです。売上代金以外での金銭等の「領収書」としては、借入金の受領書や担保として差し入れた保証金の受領書等があります。

 

◆営業目的以外の領収書

 営業とは営利を目的として行われる行為ですから、営利を目的としない公益法人や自治体や商売をしていない個人などが金銭等の受領の証として「領収書」を発行しても印紙税はかかりません。

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年6月9日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年6月9日

印紙税の豆知識

 

◆売上の領収書でも印紙税がかかりません

 営業目的の売上の5万円以上の「領収書」には、その記載された金額により印紙税がかかります。それは印紙税法の第 17 号文書「金銭又は有価証券(小切手・手形等)の受取書」に該当するためです。  しかし、17号文書の「課税物件」欄の文言をよく読むと、「金銭又は有価証券の受取書」となっております。今はやりの電子決済やクレジットカード取引等の信用取引では現実に金銭や有価証券の授受を伴いませんから、売上にかかる「領収書」でも印紙税はかかりません。ただし領収書に「○○電子決済」や「クレジットカード決済」等と明記しておく必要があります。  電子決済といっても事前に入金しているような前払支払方式や即時決済等、信用取引ではない場合は金銭の授受と見なされ、「領収書」は17号文書となり印紙税がかかります。

 

◆5万円に消費税は含まれるの?

 5万円以上の領収書には、記載された金額により印紙税がかかることは周知の通りです。最高で20万円(10億円を超える金額)の印紙税がかかりますが、消費税が含まれるのかどうかで10%の差が出ます。  例えば46,000 円の商品を販売すると消費税が4,600円かかります。お客様から50,600 円を頂戴して「領収書」を発行するときに、単に合計で品代50,600 円とだけの記載ですと印紙税はかかります。しかし「消費税の金額が区分記載されている場合は、消費税の金額は、記載された受取金額に含めない」という税法の規定がありますので、次の①又は②のように記載すれば印紙税はかかりません。

 

①商品代金46,000円
 消費税及び地方消費税4,600円
 合計50,600円
②商品代金50,600円
 うち消費税及び地方消費税4,600円

 

◆売上代金以外の領収書

 売上代金として受領した「領収書」は前述の通り、その記載された金額により印紙税がかかりますが、売上代金以外の「領収書」は5万円未満のものは非課税で5万円以上のものは200円の印紙税という区分だけです。売上代金以外での金銭等の「領収書」としては、借入金の受領書や担保として差し入れた保証金の受領書等があります。

 

◆営業目的以外の領収書

 営業とは営利を目的として行われる行為ですから、営利を目的としない公益法人や自治体や商売をしていない個人などが金銭等の受領の証として「領収書」を発行しても印紙税はかかりません。

<記事提供:株式会社エッサム>

(注意)
上記の記載内容は、2022年6月9日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年5月30日

感染症流行下での商工会・商工会議所への期待

 

 

 感染症流行の影響を受けて、小規模事業者では販路開拓や新事業創出などの取組みが求められます。こうした中、小規模事業者において商工会・商工会議所に対する支援の期待が高まっています。

 

 そこで中小企業庁編『2021年版小規模企業白書』において実施された商工会及び商工会議所の会員である小規模事業者を対象に実施したWebアンケート調査の結果に基づき、感染症流行下における小規模事業者に対する商工会・商工会議所の相談実態と評価についてみていきましょう。

 

 まず、商工会・商工会議所の利用頻度の変化について、感染症流行前の利用頻度別にみると、「頻繁に利用していた」と回答していた者の利用頻度が更に増加しています。また、商工会・商工会議所を感染症流行前には「全く利用していなかった」と回答していた者の利用頻度も大幅に増加しています。

 

 次に、商工会・商工会議所への期待度の変化を感染症流行前の利用頻度別にみると、感染症流行前の利用頻度にかかわらず商工会・商工会議所への期待が高まっていることが確認できます。

 

 感染症流行下で商工会・商工会議所が実施した支援のうち、小規模事業者の満足度が高かった支援策について回答割合の高い順からみると、「支援策(補助金・給付金・助成金・融資制度等)の情報提供(88.2%)」、「補助金・給付金・助成金申請(64.7%)」、「資金繰り(32.3%)」となっており、商工会・商工会議所が事業継続に向けた資金確保などの支援で重要な役割を果たしたことがわかります。

 

 

このように感染症流行後において商工会・商工会議所に対する小規模事業者からの期待は会員・非会員ともに大幅に高まっているのです。

 

では、感染症流行下において、小規模事業者では具体的にどのような商工会・商工会議所の支援を活用した取組みが行われているのでしょうか。そこで中小企業庁編『2021年版小規模企業白書』において、感染症流行後に商工会と連携しながら積極的に新規事業に取組んだ企業の事例として取り上げられた、有限会社松輝製鋼(三重県)の取組みについてみていきましょう。

 

 有限会社松輝製網は、地場産業であった漁網の製造販売業を営みながら、その縫製技術を生かして家庭用のオーダーカーテン等を製造する企業です。感染症流行下では、観光業や飲食店の需要が減少し、同社の漁網も販売不振に陥るとともに、カーテンの受注も伸びない状況となりました。

 

 同社社長は、2020年3月初旬、カーテンの端切れで従業員とその家族にマスクを作って支給し好評を得たことを契機に、4月初旬に抗ウイルスのカーテン生地を活用したマスクの販売を視野に商品開発を開始しました。デザインのスキルを持ったパートスタッフの活躍もあって4月中旬には商品が完成、近隣の帽子縫製工場に協力を要請し、月産数千枚の製造能力を確保しました。同時進行で、他社のマスクとの差別化のための商品改良を試みていたところ、副業で着付け師をしているスタッフが、和柄マスクを考案しました

 

 2020年4月中旬、商工会に助言を求めたところ高い評価が得られ、 経営指導員が補助金の申請を支援しました。同社は補助金で専用ミシン等を購入し、5月中旬にはマスクの量産を開始しました。商工会はその後も、販路開拓などの支援を継続しました。

 

 このように補助金申請や販路開拓がなどの商工会の支援を活用して新規事業開発を推進することが可能となるのです。

<記事提供:(株)日本ビジネスプラン>

(注意)
上記の記載内容は、2022年5月30日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年5月30日

神田川俊郎さんの遺産未登記

 

 

 昨年4月に新型コロナウイルス感染症で亡くなった料理人の神田川俊郎さん(享年81)の遺産を巡り、生前に経営していた日本料理店の土地の相続登記が1年経っても行われていないことが分かりました。

 

一部週刊誌が報じました。多くの相続において、遺産の大半を占める土地の分割協議が長引くと、税負担が増えるだけでなく、様々な将来のトラブルの種ともなりかねないので注意が必要です。

神田川さんの遺産には、大阪市内の自宅マンションに加え、北新地にある『日本料理神田川本店』があります。このうち自宅マンションについてはすでに長男が登記を行っていましたが、相続発生から約1年が経過しても店については登記が行われていないそうです。

 

神田川さんは3度の結婚と離婚を繰り返しており家庭関係も複雑ですが、よくあるような遺族間の「争族」が発生しているわけではないようです。長男が週刊誌の取材に答えたところによれば、『神田川本店』が法人化しておらず、神田川さんが個人事業主として運営していたことが事態を難しくしているとのこと。

 

光熱費や人件費がすべて神田川さんの個人口座から捻出されていたのが、新型コロナによる急死で、運営資金を一切引き出せなくなってしまい、店舗経営の立て直しに時間がかかっているのだそうです。

遺産分割協議でも、遺族同士で対立があるわけではありませんが、遺産の大半が北新地に構える店の土地であり、分割ができないことが長期化している理由です。

 

神田川さんの相続のように、相続人同士でトラブルがなくても遺産分割がすんなりまとまらないことは珍しくありません。相続税の申告期限は、相続の発生から10カ月で、それを経過すると原則として加算税や延滞税の負担が上乗せされることとなります。

神田川さんの遺族はすでに相続税の申告は済ませているといいますが、遺産の帰属先が確定しないことは税金面以外でも様々なトラブルの種となりかねません。

 

新型コロナのように予想できない万が一の事態があることも考え、最低限の備えは日頃から講じておきたいところです。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年5月30日現在の情報に基づいて記載しております。
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■2022年5月24日

SDGs 経営者の6割「理解していない」

 

 

 国連が定めた世界共通の行動指針であるSDGs(持続可能な開発目標)について、内容を把握していない経営者が6割を超えているという調査結果を、中小機構が発表しました。全国の中小事業者2千者を対象としたもの。経営者の認知は十分に広がっているとはいえない状況にありますが、働き方改革や社会貢献などを促すSDGsへの取り組みは企業にとって重要な評価基準になると見られており、すでに助成金や入札で有利になる事例も出てきています。

 

 SDGsは2015年9月の国連サミットにおいて全会一致で採択された世界共通の行動目標で、「エスディージーズ」と読みます。30年までに実行すべき取り組みを「ジェンダー平等を実現しよう」「働きがいも経済成長も」といった17の目標で示し、あらゆる企業や団体、個人が役割を果たすよう求めています。

 

 中小機構のアンケートによると、SDGsについて把握している経営者は86.0%と9割近くに上りましたが、そのうち6割超が内容について「理解していない」「あまり理解していない」と答えたそうです。「十分理解している」「やや理解している」とする割合は38.8%にとどまりました。

 

 SDGsは社会的な目標を定めたもので具体的な行動を示したものではありませんが、金融機関や自治体は独自の指標を設定することで、企業のSDGsの取り組みを促進するための施策を展開しています。金融機関の中にはSDGsへの取り組みを評価するサービスを始めたところもあります。独自のチェックシートをもとに事業者の対応度合いをランク付けし、融資の利率やリース料を優遇するそうです。また公共事業の入札時に加点されるという取り組みも行われています。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年5月24日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年5月24日

女性活躍推進法改正 101人以上事業所も対象に

 

 

 女性活躍推進法とは「働きたい女性が個性と能力を十分に発揮できる社会」の実現を目的として「事業主に一般事業主行動計画の策定・届出」「及び女性活躍推進に関する情報公表」を義務付けています。今まで対象となっていたのは「常時雇用する労働者が301人以上の事業主」でしたが、改正により令和4年4月1日から「101人以上300人以下」の事業主も対象になりました。どのような取組をするのでしょうか?

 

◆一般事業主行動計画の策定・届出の流れ

 「一般事業事業主行動計画」とは企業が自社の女性活躍に関する状況把握と課題分析を行い、それに基づき行動計画を策定するものです。行動計画には、計画期間、数値目標、取組内容、取組実施時期を盛り込まなければなりません。

①自社の女性の活躍状況を、基礎項目に基づいて把握し課題を分析します。基礎項目の必ず把握すべき項目は下記の通りです。

ア.採用した労働者に占める女性労働者割合

イ.男女の平均継続勤務年数の差異

ウ.管理職に占める女性労働者の割合

エ.労働者の各月毎の平均残業時間数の状況

(アとイは雇用管理区分ごとの把握が必要)

現状把握のために基礎項目の他、選択項目も活用すると分析にはより有効です。把握した状況から自社の課題を分析します。

②一般事業主行動計画を策定し、社内通知と外部公表をします。

ア.計画期間 イ.1つ以上の数値目標(301人以上事業所は2つ以上) ウ.取組内容 エ.実施期間

を盛り込んだ一般事業主行動計画を策定し労働者に周知、外部公表

③一般事業主行動計画を都道府県労働局に届出します。

④取組を実施し効果を測定します。

定期的に数値目標の達成状況や、実施状況の点検、評価をします。

 

◆「えるぼし」「プラチナえるぼし」認定

 一般事業主行動計画の作成・届出を行った企業のうち取組の実施状況が優良である等の企業に認定されます。このことは女性活躍推進企業であるPRになり、人材確保や企業イメージの向上につながるでしょう。

 

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年5月24日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年5月16日

キャリアアップ助成金の変更点 ~縮小・厳格化が進む~

 

◆キャリアアップ助成金とは

 

 キャリアアップ助成金は、非正規労働者のキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善に対する助成金です。

 助成内容の縮小や条件の厳格化が、今回の改正の特徴となっています。

令和4年度予算が成立し、雇用保険法施行規則の改正はあるものの、大枠の変更はないと思われますので、現時点で予定されている変更点の概要をお知らせします。

 

◆正社員化コース・障害者正社員化コース

 正社員転換または直接雇用への切り替えに対する助成金です。

令和4年4月以降、正社員化コースでは、有期→無期が対象外となり、有期→正社員(57万円/人)と、無期→正社員(28.5万円/人)のみとなります。つまり、単なる無期転換では助成されなくなります。

令和4年10月以降、両コース(正社員化・障害者正社員化)の共通改正事項として、正社員の定義に「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」の適用が追加されます。助成を受けるには、昇給があり、かつ賞与が支払われるか退職金制度が必要となります。

また、非正規雇用労働者の定義が、現行の6か月以上雇用している有期または無期雇用労働者に、「賃金の額または計算方法が『正社員と異なる雇用区分の就業規則等』の適用を受けていることが追加されます。

  つまり、正社員とは別の賃金規定や就業規則等の整備が必要になります。

 

◆その他のコースでの変更点

 賃金規定等共通化コースは、正社員と共通の職務等に応じた賃金規定等の整備に対する助成金です。今回、2人目以降の対象労働者に対する加算が廃止されます。また、家族手当・住宅手当・健康診断が対象外となり、対象は賞与と退職金のみ(正社員との共通化までは必須でない)となります。

 短時間労働者労働時間延長コースは、延長すべき週の所定労働時間が5時間以上から3時間以上へ緩和され、助成額の増額措置が令和6年9月末まで延長されます。

 

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年5月16日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年5月16日

収益力の低下が招く波及的な損失

 

 

 新型コロナウイルスの蔓延は企業業績の悪化を招来しています。事業そのものの業績不振による損益悪化はやむをえないのですが、現在の会計基準では本業の収益低下が連鎖的に会計上の損失を膨らませ、結果的に大きな最終損失を招くことに注意しなければなりません。その代表的な事例が減損会計と税効果会計です。

 

 固定資産は原則として取得価格で貸借対照表に計上されます。しかし、その価格の妥当性を検証することが求められます。減損会計では、固定資産の価格には将来その資産が生む収益力が反映されると考えます。たとえば、賃貸アパートを購入しようとする場合、同じ場所で同じ形態のものでも、満室のアパートと半分しか埋まっていないアパートでは購入価格に差があります。それなら、当初購入したときには満室であったアパートの住居人の半分が出て行ってしまったとすると、その賃貸アパートの価格は下がったことになります。その価格低下を財務諸表に表現させようとするのが減損会計です。

 

 事業用の固定資産も同様です。建物や機械を購入する場合、これからの事業展開における収益で回収できると判断する価格で、建物や機械を購入しているはずです。それが当初の思惑と異なり、新型コロナウイルスによる自粛の影響で、その固定資産で生産される製品の需要が落ち込み、取得価格が回収できないほど収益が落ち込めば、減損損失の計上を検討しなければなりません。

 

 減損損失は、過去に他の企業を買収や合併した時に計上した“のれん”においても発生します。買収対象企業の収益力を前提に計算された“のれん”は、その企業の収益力が大きく落ち込んだ時には減損を迫られる可能性があります。

 

 税効果会計とは会計と税務の認識の違いを調整する会計処理です。たとえば、会計上の費用認識は今期で、税務上の損金認識は来期になる場合、今期納付の法人税額は会計上の利益に比べて過大になります。実際に法人税額が減るのは、将来その費用が税務上損金と認識された時点になります。こうした場合、今期納付の法人税は将来の法人税の前払いと考えて、貸借対照表に繰延税金資産という資産を計上します(同時に、損益計算書には法人税等調整額という利益が発生します)。ただ、この繰延税金資産は法人税の前払効果が認められるときにだけ計上できます。ところが、その将来に所得(利益)がなければ、元々税金がないのですから、そこで損金が増えても税額は減少せず、税額の前払効果は認められません。この場合は、繰延税金資産の資産性が否定されます。将来の収益予想も落ち込めば、収益力があるという前提で計上した繰延税金資産は取り崩さなければならなくなり、損益計算書に費用が発生します。

 

 現代の会計では、収益力の影響は単に現在の損益計算書にとどまらず、過去に貸借対照表に計上した資産をも動かします。本業の収益力が高ければ、税効果会計で繰延税金資産を計上することができます。一方、収益力が悪化すれば、既に積んだ繰延税金資産を取り崩さなければなりません。また、減損会計が適用されると、既所有の固定資産を減額しなければならなくなります。それは当然に、資産減額の反対勘定として、損益計算書の損益を再び揺り動かします。

 

 つまり、本業の収益力の悪化の影響は本業だけに止まらないのです。今の収益が続くという前提で貸借対照表に計上してある資産価格の修正も迫ります。本業の収益の悪化は意外と幅広い波及効果を持ち、最終損益に打撃を与えることに注意しなければなりません。(了)

 

<記事提供:(株)日本ビジネスプラン>

(注意)
上記の記載内容は、2022年5月16日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年5月9日

成年年齢が18歳に引き下げ

 

 

 4月1日に、成年年齢が20歳から18歳へ引き下げられました。成年年齢の見直しは約140年ぶりで、成人であることを条件としてきた様々な法律行為に影響を及ぼす大改正となっています。相続対策を考える上でも今回の法改正は無視できず、成年年齢の見直しによる影響を把握しておく必要があります。

 

 

 18歳、19歳の人は今後、親の同意を得ずに様々な契約をすることができるようになりました。携帯電話を購入する、アパートを借りる、クレジットカードを作成する、ローンを組むといったことが可能。また成人は親権に服さなくてよいため、自分の住む場所を自分の意思で決めたり、進学や就職などの進路決定についても自分の意思で決めたりすることができるようになりました。そのほか10年有効のパスポートの取得や、公認会計士や司法書士などの国家資格に基づく職業に就くこと、性別の変更審判を受けることなども可能となっています。

 

 一方、4月以降も変わらない点もあり、酒やたばこに関する年齢制限については20歳のまま維持されています。また競馬や競輪、オートレースやモーターボート競走といった公営ギャンブルの年齢制限についても20歳のままです。

 

 成年年齢の引き下げとともに、女性の婚姻開始年齢の引き上げも実施。これまでは婚姻開始年齢は男18歳、女16歳と性別で差が付けられていましたが、男女ともに婚姻開始年齢が18歳で統一されました。なお4月1日の時点ですでに16歳以上の女性は引き続き18歳未満でも結婚することができます。

 

 そして成年年齢の引き下げによって、税にも影響があります。例えば相続税の「未成年者控除」では、財産の取得時に相続人が未成年であれば税額を控除でき、これまでは満20歳になるまでの年数1年につき10万円が差し引けました。成年年齢が2歳引き下げられたことで、これまでより控除できる額が減りました。

 

 また贈与税では、父母や祖父母などの直系尊属から20歳以上の子や孫が贈与を受けたときには有利な特例税率を適用するルールがあります。これも成年年齢引き下げで18歳に引き下げられたため、今までより2年早く生前贈与を使った相続対策が可能となりました。同様に、親や祖父母からの贈与について2500万円までを贈与税から控除できる「相続時精算課税」も、これまでより2年早く利用することができます。子や孫の結婚・出産・育児資金の一括贈与を非課税にする特例も、受贈者の年齢要件が20歳以上から18歳以上に引き下げられます。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年5月9日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年5月9日

住宅ローン減税と引っ越し

 

 

 婚姻期間が20年を超える夫婦は、配偶者へマイホームをプレゼントしたときに贈与税から2千万円が控除される特例を使うことができます。特例を利用するためには、贈与のあった年の翌年3月15日までに入居するか引き続き住んでいて、その後も住み続ける必要があります。

 

 

 このように住宅関係の税優遇では、継続的な居住を条件として設けている特例が少なくありません。例えば住宅購入から約10年にわたり税額控除を受けられる住宅ローン減税でも、「その年の12月31日まで住み続けていること」が適用を受けるための条件となっています。では途中で転勤があった時にはどうなるのでしょうか。

 

 この場合、転勤が「家族全員で引っ越し」か「単身赴任」かで、処理は変わってきます。家族全員で引っ越すようだと、転勤期間中は減税の適用を受けられません。居住要件を満たしていないとみなされるためです。転勤が終わって家に戻れば再び税優遇を受けられますが、その場合でも転勤していた期間の分だけ11年目以降に繰り越して優遇を受けるということはできません。

 

 一方、単身赴任であれば、残りの家族が住み続けるなら赴任期間中も変わらず住宅ローン減税を受けられます。もちろん転勤が終わっても優遇は変わらず受けられます。単身赴任であれば、海外赴任でも転勤期間中に適用を受けることが可能です。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年5月2日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年5月2日

パワハラ防止対策 中小企業にも義務付け

 

◆中小企業もパワーハラスメント防止措置

 

 パワハラという言葉はすでに一般的に知られていますが、厚労省はパワーハラスメントの定義について職場において行われる①~③すべての要素を満たすものとして3つ挙げています。

 

 

①優越的な関係を背景とした言動

②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

③労働者の就業環境が害されるもの

令和4年4月より中小企業でもパワハラ防止措置を行うことが義務付けられました。パワハラについて防止措置を講じなければならないとはどのようなことでしょうか?

①事業主の方針の明確化及び周知・啓発

②相談(苦情も含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

③事後の迅速かつ適切な対応

④相談時、事後対策では相談者や行為者のプライバシーを保護し労働者に周知

⑤相談したことを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならない

 

◆では具体的に何をすればよいのか

 

①の事業主の方針の明確化とは、職場におけるパワハラの内容、パワハラを行ってはいけない旨を明確にして周知・啓発し、行為者には厳格に対処することの方針を示し就業規則にも規定します。

②の相談に応じるとは、相談窓口を設けて周知すること、相談窓口担当者は適切に対応できるように努める。相談窓口担当は相談マニュアル等で適正な聞き取りができるよう定めておくと対応がスムーズです。

③の事後の迅速かつ適切な対応とは、事実関係を迅速,正確に把握し、速やかに被害者に対する配慮、行為者にも適切な措置を行い再発防止に向けた措置を講じます。

③④の併せて講ずべき措置は相談者・行為者のプライバシーを保護する、相談を理由として不利益な取扱いをしないこと等です。

 

◆中小企業がパワハラ対策に取り組むメリット

 

 厚生労働省が公表している個別労使紛争解決制度の施行状況で、令和2年度までは過去9年間連続で「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数が最多となっています。労働問題は放置しておけば労働者のメンタルヘルスの悪化、勤労意欲の低下、職場環境の悪化、離職率の上昇等負の影響が大きくなります。パワハラ対策に取り組むことは魅力的な職場環境を示し採用の面でもその効果が発揮できるでしょう。

(注意)
上記の記載内容は、2022年5月2日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年5月2日

源泉徴収義務者についての確認!

 

 

 会社や個人が、従業員を雇用して給与を支払ったり、弁護士、税理士、司法書士などに報酬を支払ったりする場合には、その支払の都度、支払金額に応じた所得税及び復興特別所得税を差し引きます。

 そして、差し引いた所得税等は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければなりません。

 

 この所得税等を差し引いて、国に納める義務のある者を源泉徴収義務者といいます。

 源泉徴収義務者となる者は、会社や個人だけではなく、給与などの支払をする学校や官公庁、人格のない社団・財団なども源泉徴収義務者になります。

ただし、常時2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与を支払っている個人は、その支払う給与や退職金について源泉徴収をする必要はありません。

 

 また、給与所得について源泉徴収義務を有する個人以外の個人が支払う弁護士報酬などの報酬・料金については、源泉徴収をする必要はありません。

 例えば、給与所得者が確定申告などをするために税理士に報酬を支払っても、源泉徴収をする必要はありません

 

 なお、国内において会社や個人が、新たに給与の支払を始めて、源泉徴収義務者となる場合には、「給与支払事務所等の開設届出書」を給与支払事務所等の開設をしてから1ヵ月以内に提出します。

 上記の届出書の提出先は、給与を支払う事務所、事業所その他これらに準ずるものなどの所在地を所轄する税務署長となります。

 

 ただし、個人が新たに事業を始めたり、事業を行うために事務所を設けたりした場合には、「個人事業の開業等届出書」を提出することになっていますので、「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する必要はありません。

 

したがって、個人事業主であっても、源泉徴収義務者となるのは、正社員、アルバイトなど、雇用形態を問わず、従業員を雇用したり、青色事業専従者に給与を支払っている場合などが該当します。

 

 一方で源泉徴収義務者とならないのは、従業員を雇用せず、外注もせずに完全に1人で事業を行っているケースや、雇用しているのが常時2人以下の家事使用人のみであるケース、デザイナーなどに業務を外注しているが、従業員をまったく雇用していないケースなどが該当しますので、該当されます方はご確認ください。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年5月2日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年4月25日

事業復活支援金の特例

 

◆通常の申請では要件が満たせない方用

 

 事業復活支援金は新型コロナウイルス感染症により、大きな影響を受ける中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者に対して、売上減少割合・事業規模に応じた給付金が支給される制度です。

 2022年2月18日からは、特殊な状況のために、通常の申請では要件が満たせない方のための「特例申請」の受付が開始されています。どんな特例があるのか、見てみましょう。

 

・証拠書類等に関する特例:通常申請には申告書や事業概況説明書等が必要だが、合理的な事由(申告の必要がない、申告が終わっていない等)により提出できない方用の特例

・新規開業特例:2019年1月から2021年10月までの間に法人設立・開業した方用の給付額算定計算が使える特例

・季節性開業特例:月当たりの事業収入の変動が大きい方用の給付額算定計算が使える特例

・合併特例:2020年1月以降に合併した法人用の給付額算定計算が使える特例

・連結納税特例:連結納税している法人が、個別法人ごとに給付要件を満たす場合に申請できる特例

・罹災特例:2018年または2019年に罹災したことを証明する罹災証明書等がある場合で罹災用の給付額算定計算が使える特例

・法人成り特例・事業承継特例:個人から法人になった場合や事業承継を受けた方に対する特例

・NPO法人・公益法人等特例:NPO法人や公益法人等用の、証拠書類等や給付額の算定計算が使える特例。また、この特例と併せて新規開業特例を利用することも可能

 

◆特例申請の注意点

 

 各特例を利用して申請を行う場合、通常の申請に比べると審査に時間がかかる場合があるようです。  また、必要書類については特例ごとに違いがあるので、特例申請を検討する場合は、確認するようにしましょう。

(注意)
上記の記載内容は、2022年4月25日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年4月25日

令和4年度確定拠出年金どう変わる

 

◆確定拠出年金の利用拡大

 

 確定拠出年金は、公的年金とは別に企業や個人で積み立てて運用し老後に備える私的年金です。企業で行う企業型確定拠出年金(DC)と、個人で積み立てる個人型確定拠出年金iDeCoがあります。4月から順次改正があります。

ア)確定拠出年金の受給開始年齢上限が75歳まで、イ)企業型DC加入年齢は70歳未満まで、ウ)iDeCoの加入年齢も65歳未満まで、企業型DCとiDeCoの併用の条件緩和等、利用しやすい条件に拡大されました。

 

・4月施行……受給開始時の年齢の上限が75歳に延長

 令和4年4月から企業型DCとiDeCoの老齢給付金の受給開始時期を60歳(加入資格喪失後)から75歳までの間で自分で選択できるようになります。

・5月施行……企業型DC加入可能年齢が拡大

これまでの企業型DCでは60歳未満の方が加入者になれました。60歳以降は60歳前と同じ事業所で引き続き使用される厚生年金被保険者に限り65歳未満まで加入者になることができました。

今回の改正で厚生年金被保険者であれば同一事業所でなくとも70歳未満まで加入できるようになりました。ただし企業によって加入できる年齢は規約で異なります。

・5月施行……iDeCoの加入可能年齢の拡大

現在、iDeCoに加入できるのは60歳未満の公的年金の被保険者です。改定後は65歳未満に拡大されます。国民年金は任意加入被保険者が対象です。また海外居住者でも任意加入していれば加入できます。

・10月施行……企業型DC加入者がiDeCoに加入しやすく

現在、企業型DC加入者がiDeCoに加入するには企業の労使合意が必要でした。10月からは原則不要で加入可能です。ただし、企業型DCの事業主掛け金とiDeCoの掛け金の合計額が月額55,000円から各月の企業型DCの事業主掛け金を控除した残余の範囲内(上限20,000円)でiDeCoの掛け金を拠出できるようになります。

また、確定給付型(厚年年金基金やDB)においては事業主掛け金を控除した残余の範囲内(上限12,000円)でiDeCoに加入できます。

 

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年4月25日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年4月19日

相続税申告と納税が必要な納税者は早めに準備を!

 

相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内が期限となっております。

 

相続が発生しますと、葬儀や法要など行わなければならないことも多く、時間の経過が早いので、相続税申告と納税が必要な場合は、早めに準備を始めることが肝要です。

相続税申告のためには、相続人の確認、遺言の有無、遺産と債務の確認、遺産の評価、遺産の分割などの手続きが必要となります。

 

相続人の確認をするために、被相続人と相続人の本籍地から戸籍謄本を取り寄せて相続人を確認します。 また、遺言書の有無を確認し、遺言書があれば遺言書を開封する前に家庭裁判所で検認を受ける必要があります。

ただし、公正証書による遺言は検認を受ける必要はありません。

 

被相続人の遺産と債務を確認するため、すべての遺産と債務を調査します。

葬式費用も遺産額から差し引くことができますので、領収書などで確認します。

相続税がかかる遺産や財産の評価は、相続税法と財産評価基本通達により定められておりますので、それらにより評価します。

 

 遺産分割については、遺言書がある場合には遺言書によりますが、無い場合には、相続人全員で遺産分割について協議をし、分割協議が成立した場合には、遺産分割協議書を作成します。

相続人のなかに未成年者がいる場合には、その未成年者について家庭裁判所で特別代理人の選任を受けなければならない場合もあり、この場合、特別代理人が、その未成年者に代わって遺産の分割協議を行うことになります。  また、期限内に分割できなかったときは、民法に規定する相続分で相続財産を取得したものとして相続税の申告をします。

 

そして、申告と納税については、被相続人の死亡時の住所が日本国内にある場合の申告書の提出先、納税先はいずれも被相続人の住所地を所轄する税務署となります。

 相続税の納税については、申告書の提出期限までに金銭納付が原則ですが、分割して金銭で納める延納と相続・遺贈で取得した財産そのもので納める物納という制度もあります。

延納、物納を希望する納税者は、申告書の提出期限までに税務署に申請書や必要書類などを提出して許可を受ける必要がありますので、該当されます方はご確認ください。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年4月19日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年4月19日

IT導入補助金が拡充

 

 

 2022年度のIT導入補助金では、インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応支援に特化した「デジタル化基盤導入類型」が新設されることが決まりました。経済産業省は「インボイス制度を見据えたデジタル化を一挙に推進する」としています。

 

 従来型の「通常枠」との大きな違いは、高い補助率に加え、ハードウェアの購入費用も対象となった点です。通常枠は、ソフトウェアおよびその導入費用を補助対象として補助率2分の1を上限に最大450万円を支給していましたが、これに対してデジタル化基盤導入類型(インボイス枠)では、通常枠の範囲に加えて、最大2年分のクラウド利用料が盛り込まれ、さらにパソコンやタブレット、レジスター、発券機などのハードウェアの購入費用も補助の対象に加えられました。ITツールの補助額は、5万円から50万円のものは4分の3、50万円超350万円以下が3分の2までとなっています。ハードウェアについては、PCなどの上限は10万円、レジは20万円で、ともに補助率は2分の1です。

 

 申請にあたっては、事務局の認定を受けた「IT導入支援事業者」を通じてツールの選定や事業計画の策定、購入、運用といった一連の手続きのサポートを受ける必要があります。支援事業者は、複数メーカーの商品を取り扱う「マルチベンダー」や単一メーカーの製品のみに専門特化した「シングルベンダー」といったIT製品販売会社が中心となっています。IT導入支援事業者から購入した製品でなければ補助金の対象にはならないため、先走って購入をすることがないように気をつけたいところです。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年4月19日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年4月12日

事業復活支援金 給付額算定の注意点

 

◆新型コロナウイルス以外の理由はNG

 

 事業復活支援金は新型コロナウイルス感染症により、大きな影響を受ける中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者に対して、事業規模に応じた給付金が支給される制度です。

 2021年11月から2022年3月のいずれかの月の売上高が、2018年11月~2021年3月までの間の任意の同じ月の売上高と比較して50%以上、または30%以上50%未満減少した事業者が対象となります。

 給付対象は「新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上高が減少していること」となっているため、事業活動に季節性があるケース(例:夏場の海水浴場)における繁忙期や農産物の出荷時期以外など、通常事業収入を得られない時期を対象月として新型コロナウイルス感染症の影響により事業収入が減少したわけではない売上の減少については申請できません。

 また、売上計上基準の変更や顧客との取引時期の調整により対象月の売上が減少している場合や、法人成り又は事業承継の直後など、単に営業日数が少ないことにより対象月の売上が50%以上減少している場合も給付対象外です。

 

◆給付金は算定に含まない

 対象月の該当性判断や給付額の計算については、各月の事業収入に、新型コロナウイルス感染症対策として国または地方公共団体による支援施策により得た給付金・補助金等が含まれる場合は、その額は除いて計算します。

 持続化給付金や一時支援金、月次支援金、家賃支援給付金等については加味しないで計算するということです。

 

◆例外は時短要請等の協力金

 給付対象月中に地方公共団体による時短要請等に応じて、それに伴う協力金を受給した場合、「対象月の月間事業収入」についてはその協力金を加えて計算します。

 ただし、基準月(売上高が50%以上減少等の、減少前の売上高を見る月)については、時短要請等に応じた分の協力金等を月間事業収入として加えずに計算することになっています。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年4月12日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年4月12日

子供のない夫婦の相続

 

子供のない夫婦が将来起きる相続を考えるとき、誰に自分の財産を託したいか、遺言書で自らの意思をはっきり残しておくことが大切です。

 

◆相続人の範囲

 

 遺言書がなく、遺産分割協議もできない場合、財産は、相続人に法定相続分で引き継がれます。被相続人の配偶者は常に相続人となりますが、被相続人の外に血族がいるときは、被相続人の子供(第1順位)、被相続人の父母など直系尊属(第2順位)、被相続人の兄弟姉妹(第3順位)の順で、それぞれが配偶者とともに相続人となります。

 

 

◆甥、姪への予期せぬ相続

 被相続人に子がなく、両親も他界、兄弟姉妹も既に死亡しているときは、兄弟姉妹の子(被相続人にとっては、自身の甥、姪)が代襲相続人として相続することになります。兄弟姉妹との間で、生前、仲たがいしていた場合、甥、姪にとって思いもかけない財産が舞い降り、お互い想定していなかった財産移転が起きることもあります。

 

◆遺言書で財産の引継ぎ先を指定するら

 このような意図しない相続が行われないようにするためには、遺言書を作成しておくことで、財産を引き継がせたい人に渡すことができます。兄弟姉妹がいる場合でも、遺言書があれば配偶者に100%財産を渡すことができます。遺留分は兄弟姉妹にはありません。ただし、夫婦のどちらが先に亡くなるかは分からないため、夫婦それぞれで自分の財産を相手に渡す遺言書を作成しておく必要があります。

 

◆自分の人生の総括を

 配偶者の外に財産を移転させたい場合には、公益団体等に寄附して社会貢献する遺贈寄附という方法もあります。遺言書を利用して自分の人生を総括し、自身の財産を承継してほしい人や団体に財産を移転することは、意義があるかもしれません。

 遺言書には、公正証書遺言と自筆証書遺言の2つの方法があります。前者は公証人役場で公証人が立ち会って遺言書を作成してもらう方法。後者は自書で遺言書を作成する方法。令和2年7月から自筆証書遺言書を法務局に保管してもらうことも可能になりました。瑕疵のない遺言書を確実に作成したい場合は公正証書遺言とし、自身の意思を伝えることが主な目的であれば、自筆証書遺言で良いかもしれません。自身に合った方法を選択してはいかがでしょうか。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年4月12日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年4月5日

令和4年度の雇用保険料率2段階引き上げ

 

◆2段階で引き上げ改定される雇用保険料

 

 新型コロナの影響が続く中、おととしの2月からこれまでの雇用調整助成金等の支給額は5兆円を超えていて雇用保険の財源不足が課題となっています。厚労省の審議会で議論されてきましたが、雇用保険料改定が決まりました。それによると労使折半で賃金の0.2%を負担している失業給付などを支払う事業の保険料率は4月から半年据え置き、10月から3月まで0.6%上げるとしています。一般の事業では労使で4月~9月1000分の9.5、10月~3月は1000分の13.5となります。4月の時点では労働者の給与から控除される保険料は変更ありません。

 

 

◆改定の内訳と流れ

 雇用保険料は労使が負担する雇用保険料や国庫負担などで賄われています。雇用保険料の中身は失業給付(労使折半)、育児休業給付(労使折半)、雇用二事業(事業主負担、助成金や教育訓練に充てる)で構成されています。 今までは積立金が一定水準を超えていたことで労働者0.3%、事業主0.6%と原則より低い負担で抑えられてきましたがコロナ禍で積立金が枯渇してきています。

 令和4年度の失業負担分は4月には据え置かれますが10月には0.6になります。また、育児休業給付に係る保険料率は年間通し0.4%のまま据え置かれます。 一方、事業主のみが負担する「雇用保険二事業」の料率は4月から0.3%から0.35%に上がります。その結果事業主負担は全体で0.65%になります。

 

 

◆料率改定事務 変更分はいつから

 今のところの予想ですが、令和4年度の労働保険概算確定申告時に令和4年度の概算額として事業主負担の二事業の引き上げ分を乗せます。また、10月からの料率改定の分は10月以降の概算賃金額に引き上げられる新料率をかけて保険料の概算額を出し、前半分と後半分を足して1年間の概算額とします。詳しくは令和4年度の労働保険料の計算方法が発表されてから確認することとなります。  各労働者の給与からの雇用保険料率の徴収額が上がるのは令和4年10月分給与からです。  

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年4月5日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年4月5日

優良帳簿で税の優遇

 

 

 今年1月に施行された改正電子帳簿保存法では、帳簿書類を電子データで保管するための要件が緩和され、一方で電子書類を紙に印刷して保管することを認めないなどの見直しが盛り込まれました。このうち後者については、中小事業者での対応が困難という理由で、2年間の猶予期間が設けられたのは記憶に新しいところです。  なかには、今年1月に間に合うように完璧に準備したのに肩すかしをくらった気持ちの事業者もいるでしょう。そんな社長さんは、ぜひ「優良な電子帳簿」の特例を知っておきたいところです。

 今回の法改正では、これまで求められてきた「記録事項の訂正・履歴データを参照できること」、「取引の詳細な内容を検索できること」などの要件が求められなくなり、電子保存がしやすくなりました。しかし改正前の厳しい要件を満たした帳簿は、今後は「優良な電子帳簿」として、その記載内容について申告漏れがあったときには過少申告加算税が5%軽減されるのです。

 

 注意したいのは、加算税の軽減措置を受けるためには、優良な帳簿の条件を満たすだけでなく、特例の適用を受けるという届出書を税務署に提出しなければならない点。条件を満たしているなら忘れずに提出しておきたいところです。

 

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年4月5日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年3月17日

火災保険の契約者と建物の所有者が異なる場合の課税について

 

 

 火災保険は、一戸建てやマンション、ビルなどの建物や、建物の中にある家具や什器などの動産を補償しますが、火災保険の契約者(保険料負担者)と建物の所有者(被保険者)が異なる場合、通常、火災が発生した際には建物や家財などの所有者に保険金を受け取る権利がありますので、保険金は契約者ではなく、所有者に支払われます。

 ただし、質権設定された契約など被保険者へ支払いできない場合もあり、例えば住宅ローンの借入をする際には、金融機関等に対して火災保険の保険金の権利を担保として提供しているので、被保険者ではなく質権者(金融機関等)に保険金の請求権が移るため、保険金は質権者に支払われることになります。

 

 火災保険の契約者は、保険会社に契約の申込みをして保険料を支払う契約の当事者である一方、被保険者は保険の補償を受ける保険の対象となる建物の所有者です。  被保険者は、契約者と同一の場合や、別人の場合もあり、別人であるケースとして、親が所有する建物に子供が保険料を負担して火災保険に加入している場合などがあります。

 

この場合、保険料の支払者と保険金受取人が異なりますので、火災保険金を受け取った人に所得税や贈与税の課税が問題となりますが、火災保険金は火災や自然災害などで受けた損害の補填となりますので、保険金の受取方法によって、利益が生じないことから非課税とされます。

 

 なお、火災保険は掛け捨てタイプが一般的ですが、積立型の火災保険もあります。

 満期になりますと満期返戻金が支払われますが、満期返戻金の受取人が契約者と同一である場合は、原則として一時所得として扱われ、他の一時所得と合算して課税を受けます。 受取人と契約者が異なる場合は、受取人に贈与税が課税されます。

 

 また、契約者が保険期間中に死亡した場合もあり、掛け捨てタイプで保険料を一時払いで払う火災保険や積立式の火災保険を相続したときは、その契約に関する権利が相続税の課税対象となり、権利の評価額は相続開始時の解約返戻金相当額となります。  

さらに、保険期間中に相続が発生した場合には、未経過分の保険料等が相続財産に加算されますので、該当されます方はあわせてご確認ください。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年3月17日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年3月17日

賃貸不動産の一時的空室

 

 

◆土地バブルとマンションバブル

 昭和の土地バブルの時代には、頻繁に住宅を買い替えることにより、よりリッチな物件に住み替える、という事例が沢山ありました。所有によりアパート賃料分が留保されるだけでなく、所有により含み益が蓄積される、という効果が人の心を動かしました。

 現在は、マンションバブルの傾向を示しています。首都圏では2000年以降、近畿圏では2010年以降に建築した中古マンションの譲渡価格が新築時の価格を上回る傾向にある、との民間公表データもあります。譲渡益も、建物の減価償却があるから譲渡益が出るのではなく、その償却額を超える譲渡益が出る、という事です。

 

◆会計検査院の指摘

 令和2年の税制改正で、住宅ローン控除の規定の「翌年又は翌々年中」という文言が「翌年以後3年以内」という文言に改正されました。これは、会計検査院が措置法特典の不適正な重複適用として実態報告をしたことに端を発しています。会計検査院の検査報告によると、新居を購入して住宅ローン控除を受けている人で、旧居に居住しなくなってから3年目に旧居を売却して居住用資産譲渡の3000万円特別控除の特例の適用を受けていた人が平成28年、29年の2年間で37人いたとしています。そして、この37人の重複減税額の合計が5011万円であった、としています。税率で割った一人当たり平均譲渡益は900万円前後です。会計検査院の検査した事例も、最近の不動産バブルを反映しています。

 

◆特例の連続適用・重複適用

 今はマンション住み替えの都度、譲渡益が発生する時代になっています。そして、期間が3年超ならば、3000万円控除の連続適用が可能です。さらに、住宅ローン控除の適用を受けていたとしても、その居住物件の譲渡による譲渡益に対する3000万円控除の適用も可能です。

 会計検査院の指摘と紛らわしいところですが、同一物件に係る譲渡益に対する3000万円控除の適用と住宅ローン控除の適用には、特例併用の制限はされていません。会計検査院の指摘したのは、異なる物件での住宅ローン控除と3000万円控除の重複適用の場合の事なので、同一物件での重複適用に対する注文ではなかったのです。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年3月17日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年3月9日

賃貸不動産の一時的空室

 

 

相続で賃貸不動産を取得したとき、財産評価で一時的に空室となっている住戸にも評価減を認める取扱いを受けるには、賃貸業務の継続性に加え、空室期間を長期化させないことが必要となります。

◆賃貸不動産の財産評価

 相続や遺贈で財産を取得する場合、財産は時価で評価します。相続財産の時価は、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に、通常成立すると認められる価額とされています。  貸家および貸家の敷地の用に供されている貸家建付地は、賃借人が建物を使用することで支配権を有しているため、貸主の側も利用に受忍義務が生じることから評価額が減額されます。反対に賃貸されていない貸室部分は賃借人の権利が存在しないので評価は減額されず、自用地評価となります。

 

◆相続財産の一時的空室の扱い

 一方、一時的な空室であることが認められれば、例外的に賃貸されているものとして評価の減額が認められる場合もあります。

 税務署は、質疑応答事例で相続した時点で空室があった場合、その空室について相続の前後で賃貸が継続され、新たな賃借人の募集が退去後、速やかに行われ、空室期間中、他の用途に供さず、空室期間が課税時期の前後で例えば1か月程度などの要件をみたせば、事実関係を総合判断して例外的に、空室部分も賃貸されているものとして評価減を認めるとしています。

しかし、現実は、空室はすぐに埋まらず、課税実務では、「例えば1か月程度の要件を充たしていない」として自用地評価とされてしまうことが多いのではないでしょうか。

 

◆不動産所得における一時的空室との違い

 ところで、不動産所得では、空室期間が1か月を超えたとしても、賃貸業務を継続中であれば貸付の用に供されているものとして減価償却費などを経費として算入します。  これは不動産所得が1年間の総収入金額から必要経費の額を控除するフローの金額としてとらえられるのに対し、財産評価は、相続開始時のストックの評価額としてとらえることとの違いによるものと思われます。

 

◆空室を早期に埋める実態をつくる

 空室を1か月で埋めるのは立地、賃料などでよほど優位な物件でない限り困難ですが、間断のない募集活動により空室期間の短縮をはかり、空室が一時的であることを事実関係から説明できるようにしましょう。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年3月9日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年3月9日

BtoBでの免税事業者の消費税転嫁は保護されるのか

 

◆インボイス開始当初の経過措置

 令和5年10月1日から、適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)が新たに始まるわけですが、インボイス番号を持たない免税事業者も消費税を請求出来ることが制度の前提になっています。そして、令和5年10月1日から最初の3年間は免税事業者の請求する消費税額(110分の10)の80%を、取引相手は、仕入税額控除可能とし、次の3年間は当該(110分の10)の50%を仕入税額控除可能とし、その後は0%としています。

 

◆経過措置は値上げを前提としている

 取引相手の仕入側としては、110分の8又は5が仕入税額で、税抜き購入価格は110分の102又は105となり、6年経過後は110となります。従って、購入価格の値上げが起きたことになります。

 BtoBでの取引弱者に該当する多くの免税事業者は、少なくとも、値上げとなる部分の取引価格の減額を要求されるはずです。

 

◆公取委の独禁法の適用方針

 公正取引委員会は、「インボイス対応Q&A」を発表し、取引上優越した地位の立場で、免税事業者である仕入先に対して、発注時に定めた下請代金の額を減じた場合には、下請法で禁止している下請代金の減額や買い叩きとして問題となるとしています。  そう言いながら、インボイス制度の実施を契機として、免税事業者に対して取引価格の引下げを要請し、交渉において、仕入税額控除が制限される分について、双方納得の上で取引価格を設定すれば、結果的に取引価格が引き下げられたとしても、独占禁止法上問題となるものではない、としています。

 

 

◆公取委の態度は実効性を無にする

 公正取引委員会のスタンスは、仕入側の控除消費税額の制限による損失分の値下げは問題なしではあるが、免税事業者自身が負担している仕入消費税分にまで食い込むようなことになってはならない、との、幅のあるものです。免税事業者が、消費税の損税化(不転嫁による自己負担化)という事態に陥ることは、独禁法上としても見過ごせない問題なのでしょう。  しかし、消費税の請求額をゼロとして、免税事業者に於いて発生している前段階消費税を取引価格へ上乗せする(値上げ)というような話し合いは、現実性が乏しく、公取委の見解表明は実効性を伴わないアリバイ作りのように感じられます。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年3月9日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年3月1日

令和3年分確定申告 簡易な方法による個別延長

 

◆今年の確定申告期限は3月15日ですが

 新型コロナウイルスのオミクロン株による感染の急速な拡大に伴い、確定申告期間(2/16~3/15)にかけて、感染してしまった方や濃厚接触者認定で自宅待機を余儀なくされてしまった等で、令和3年分の確定申告が遅れてしまう人が増加することを想定し、国税庁は令和4年4月15日までの間については「簡易な方法による個別延長」を認めることとしました。

 「簡易な方法」というのは文字通りで、本来ならば提出が必要な「延長申請書」を必要とせず、申告書を提出する際に余白等に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と書き添えるだけで、4月15日までの間であれば、申告・納付期限を延長することができます。

なお、個人の所得税・消費税の申告だけではなく、法人税や相続税といったその他の税目についても、4月15日までなら簡易な方法で延長の適用を受けることができます。

 

◆対象は今年分のみ、4月15日までの措置

 あくまでも今般のオミクロン株による感染の急拡大に向けての措置なので、令和4年1月以降に申告等の法定期限を迎える手続が対象となっています。例えば新型コロナウイルスによる影響であっても、令和2年分の確定申告を令和4年4月1日に提出する場合は簡易な方法による個別延長の対象にはならず、延長申請書に申請理由等を記載の上、提出する必要があるのでご注意ください。

 また、令和3年分の確定申告であっても、4月15日を過ぎて申告する場合は同様に、延長申請書が必要となります。

 

◆申告日=納付期限になるので注

 4月15日までの簡易な方法による申告期限の個別延長を申し出た場合は、原則申告書を提出した日が申告と納付の期限となりますので、3/16日以降の申告を行う場合は、納付が可能になった時点で提出するようにしましょう。

 納付が困難な場合については、納付の猶予制度も適用可能ですから、納税資金に不安がある場合は、活用を検討してもいいかもしれません。 

 

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年3月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年3月1日

住宅ローン控除と譲渡特例

 

 住宅ローン控除の適用を受けて新住居を取得した人が、旧住居を住まなくなってから3年目に譲渡して3000万円特別控除の適用を受けようとする場合、住宅ローン控除が過去に遡って適用されなくなりますので、注意が必要です。

 

◆租税特別措置の趣旨は、住宅取得の促進

 「公平・中立・簡素」は税制の基本原則ですが、国は、特定の政策目的の実現のため、特別措置でこの原則を少し緩めて特定の人の税負担の軽減をはかります。住宅ローン控除は、借入金の金利負担を税額控除で補填するもの、居住用不動産の譲渡所得の3000万円特別控除は、住宅を売却する人は、代わりに居住用不動産を取得する必要があることから譲渡所得に係る税負担を減らして、住宅取得を後押しするものです。他にも買換特例、交換特例などがありますが、これらの譲渡特例の適用に際し、制度の重複適用は想定されていません。

 

◆会計検査院の指摘で重複適用が発覚

 ところで、令和2年度改正前の税制では、居住した年、及びその前後2年間の重複適用までは禁止されていましたが、旧住居を住まなくなってから3年目に譲渡した場合、住宅ローン控除と3000万円特別控除の重複適用が起きてしまうことを会計検査院が指摘しました。このため、令和2年4月1日以降の旧住居の3年目の譲渡にも、重複適用はできないこととなりました。

 

◆重複の場合は、3000万円特別控除を優先

 重複適用の場合は、3000万円特別控除が優先されます。3000万円特別控除の適用を受けようとする人が、住宅ローン控除を先行して受けていた場合、過去に遡って住宅ローン控除が適用できなくなり、修正申告(または期限後申告)が必要となります。これにより居住用不動産を買換えしようとする人は、住宅ローン控除と譲渡所得の3000万円特別控除のどちらを選択するか、事前に有利判定が必要となります。

 

◆控除率1%の見直しも忘れずに

  なお、このときの会計検査院報告では、他にも、住宅ローン控除適用者の借入金利が1%を下回ることが多いことから、ローンで住宅を取得した人の税負担が金利負担以上に減額される逆ざや現象が報告されていました。そこで令和4年度税制改正では、令和4年以降に居住の用に供したものから借入残高に対する控除率は、1%から0.7%に引き下げられることになります。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年3月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年2月22日

確申期到来 年またぎの入院費用の注意点

 

◆令和2年10月より取扱いが変わりました

 確定申告シーズンとなった中で、昨年にかかった医療費のレシートをこれから整理しようという人もいると思われます。

1年間の医療費が10万円を超えた時には、超過分を所得から差し引ける「医療費控除」の制度が使えるからです。確定申告という年に1回の税金の手続きでは処理の方法をめぐって頭を悩ませる人も多く、医療費控除でも毎年多くの疑問が出ています。

 

 例えば、昨年12月から今年1月にかけて入院をした時などの医療費は、昨年と今年のどちらの医療費に含まれるのでしょうか。こうしたケースでは、原則として「支払った日」が属する年の医療費として扱うのが正しい処理となります。昨年末から継続的に治療を受けていたとしても、その代金をまとめて支払ったのが今年に入ってからであれば今年の医療費となるというわけです。  またクレジットカード払いならカードを切った日が判定のタイミングとなり、たとえその後分割払いを選んだとしても、医療費に関しては最初の決済時が属する年で判断します。

 

 例えば一時金が30万円で、対象となる医療の費用が昨年は医療費全体の4割、今年が6割だとするなら、それぞれ昨年の医療費から12万円、今年の医療費から18万円を差し引くのが正しい計算方法となります。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年2月22日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年2月22日

国税庁:65万円青色申告特別控除についてリーフレットを公表!

 

◆令和2年10月より取扱いが変わりました

 国税庁は、同庁ホームページ上において、「e-Tax又は電子帳簿保存を行うと65万円の青色申告特別控除が受けられる」と題したリーフレットを公表し、周知を図っております。

 同リーフレットには、質問にYESやNOで答えながら進んでいくことで、65万円の控除が受けられるかどうかチェックできるYES・NOチャートも掲載しております。

 国税庁では、新しく事業を始めた人や記帳のしかたが分からない人や、記帳に関する指導を希望する人を対象に、日々の記帳方法から申告書の提出まで一貫した指導を行っており、記帳指導の希望や詳しい内容は最寄りの税務署に気軽に尋ねるよう呼びかけております。

 上記の青色申告者に対しては様々な優遇措置がありますが、その一つに所得金額から最高65万円又は10万円を控除する青色申告特別控除があります。

青色申告特別控除は、2018年度税制改正において、65万円から55万円に引き下げられましたが、一定要件を満たす場合は65万円の控除が受けられます。

 

 適用要件が改正された青色申告特別控除は、2020年分以後の所得税(住民税は2021年度分以後)について適用され、65万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、これまでの要件に加え、e-Taxによる申告(電子申告)又は電子帳簿保存を行うことが必要になりました。

 なお、電子申告又は電子帳簿保存を行わない場合(改正前の65万円控除要件を満たしているのみの場合)は、青色申告特別控除額は55万円となります。

 

 2021年度税制改正により、電子帳簿保存法が改正され、2022年1月1日以後に電子帳簿保存を行う場合には、税務署長の事前承認は不要となりました。

 この制度の下、65万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、その年中の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について、優良な電子帳簿の要件を満たして電磁的記録による備付け及び保存を行い、法定申告期限までに一定の事項を記載した届出書を提出することが必要となりますので、あわせてご確認ください。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年2月22日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年2月10日

不動産賃貸経営者は要注意!居住用賃貸建物の仕入税額控除

 

◆令和2年10月より取扱いが変わりました

 マンションやアパートを賃貸する目的で建物を建築した際には、その建物の建築費・購入費に消費税が課されます。一般に建築費や購入額は高額となりますので、その消費税額も大きな金額になります。  この建物を居住用として賃貸するときは、建物の取得に係る消費税は非課税の売上げ(住宅の貸付け)に対応するものであるため、賃貸する側の仕入税額控除は、採用する計算方法により、取扱いが異なりました。

①「個別対応方式」…控除できない

②「一括比例配分方式」又は「全額控除」

…控除する余地あり

②を用いるため、金の売買により課税売上割合を意図的に引上げる事例もあったことから、居住用賃貸建物に係る消費税は、すべて控除できないこととなりました。

 

 

◆税抜き1,000万円以上の建物等が制限対象

 制限対象となる「居住用賃貸建物」を大まかに言うと、次のようなものになります。

①住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であること

②税抜きの対価が1,000万円以上である建物・建物附属設備

例えば、ホテル・旅館や販売までの間、居住用賃貸を行わないことが確実な販売用不動産のような、客観的に「課税売上げのみに対応するもの」は、仕入税額控除の制限対象となりません。それ以外のものが、制限対象の「居住用賃貸建物」となります。

ただし、居住用賃貸建物に商業用賃貸部分(課税売上げ部分)と居住用賃貸部分(非課税売上げ部分)がある場合に、これを合理的に区分しているときは、商業用賃貸部分の仕入税額控除は制限されません。

 

◆事務所賃貸に変えた場合・譲渡した場合

 この新しいルールにより仕入税額控除の制限を受けた建物について、調整期間(大まかに言うと3年間)中に、次のような状況に変わった場合には、仕入れに係る消費税額の調整が行われます。

①建物を課税賃貸用に供した場合

②建物を他の者に譲渡した場合

この場合、取得時に仕入税額控除が適用できなかった消費税額のうち、課税売上げ(①又は②)に対応する部分として一定の算式により計算した金額を、仕入税額控除の消費税額に加算します。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年2月10日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年2月10日

電子申告では余裕をもって不測の事態に備えましょう

 

◆申告・納付の期限日にトラブル発生!

 仕事始めの令和4年1月4日、国が運用しているe-Tax(国税電子申告・納税システム)において、受付システムで処理が遅延するトラブルが発生しました。

 正午過ぎに申告書の提出手続きをしていたある企業では、電子申告後、即時通知では正常送付が確認できたものの、その次の段階で通常届く受信メッセージが届かず、電子納付の手続き前で先に進めなくなってしまいました。数日前に行ったe-Taxソフトの最新バージョンへの更新が原因なのか、それとも自社のパソコンや通信環境が原因なのかわからず、少し狼狽したようです。

e-Taxのホームページサイトで確認したところ、緊急のお知らせが発信されていて、原因はe-Taxにあることがわかりました。9時ごろから発生していたこのトラブルのお知らせの第一報は午前11時には出ていたようですが、13時になっても、16時になってもトラブルは解消されず、ようやく20時になって復旧したようです。

 

◆期限後申告や期限後納付となるのか?

 復旧した20時まで待ってその後の作業を行っていれば当日中に手続きが終わったでしょう。しかしながら、復旧を知らずに手続きが期限日の翌日(令和4年1月5日)となった場合には、期限後申告や申請、期限後納付となるのでしょうか。2年連続の期限後申告で青色申告取消とか、消費税の届出書の申請が間に合わず最悪の事態に面しそうなケースもあるかもしれません。

 e-Taxでは、「期限後の申告又は申請となる場合、管轄の税務署までご相談ください。」と呼び掛けています。おそらく、「自己の責任によらない、やむを得ない事情として、税務署長に認められる形」で決着するものと考えられますが、実際に期限内での受付が認められるまで不安は残ります。

 

◆余裕を持った期限前の手続きが望ましい

 今回は原因が国のシステムであるe-Tax側にありましたが、もし、自社のパソコン環境のトラブル(何らかのウィルス感染など)が原因であれば、自己の責任で、宥恕されることなく、期限後の申告・納税・申請になってしまうものと考えられます。

 電子手続きを行っている場合には、不測の事態に備えて、日数に余裕をもった手続き体制を整えておくことが望ましいです。

(注意)
上記の記載内容は、2022年2月10日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年2月3日

中小企業におけるSDGsの活用

 

 中小企業を取り巻く大きな事業環境の変化の一つにSDGsへの関心の高まりがあげられます。SDGsとは、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、社会が抱える問題を解決し、世界全体で2030年を目指して明るい未来を作るための17のゴールと169のターゲットで構成されています。

 

 以下で、環境省「持続的な開発目標(SDGs)活用ガイド(第2版)」に基づき、企業におけるSDGs活用の4つの可能性についてみていきましょう。

1点目として「企業イメージの向上」があげられます。SDGsへの取組みをアピールすることで、多くの人に良い企業イメージを与え、より多様性に富んだ人材確保にもつながるなど、企業にとってプラスの効果をもたらします。

 

2点目として「社会の課題への対応」があげられます。SDGsには社会が抱えている様々な課題が網羅されており、これらの課題への対応は、経営リスクの回避とともに、社会への貢献や地域での信頼獲得にもつながります。

 

3点目として「生存戦略になる」ことがあげられます。取引先のニーズの変化や新興国の台頭など企業を取り巻く環境変化に対し、今後はSDGsへの対応がビジネスにおける取引条件になる可能性もあり、持続可能な経営を行う戦略として活用できます。

 

4点目として「新たな事業機会の創出」があげられます。この取組みをきっかけに、地域との連携、新しい取引先や事業パートナーの獲得、新たな事業の創出など、今までになかったイノベーションやパートナーシップを生むことにつながります。

 

 このようなSDGsの活用は、意思決定のスピード、地域での信頼やつながり、創意工夫と柔軟性などの特徴をもつ中小企業だからこその強みが生かせる分野なのです。

 

では、SDGsに取組む中小企業では具体的にどのような取組みが行われているのでしょうか。そこで環境省「持続的な開発目標(SDGs)活用ガイド(第2版)」において、SDGsに取組む企業の事例として紹介されたテラオライテック株式会社(本社:福井県)の取組についてみていきましょう。

 

 

 テラオライテック株式会社は、給排水衛生設備、空調換気設備、電気設備、リフォーム全般の設計・施工などを行う企業です。

 同社がSDGsに取組むにあたっては、社員と考えを共有するために、社内研修の場を使って理念の共有と自社プロジェクトの理解を行うとともに、社内にSDGs推進委員会を新設し、社員SDGsバッジ着用や各所にSDGsステッカーを掲示するなどして日常的にSDGsを目にする機会も作っていきました。同社の取組みが地域にも広く浸透し、SDGsに関心の高い若い人材の確保にもつながっています。

 

 

また同社では、社会課題の解決に向けた取組みにビジネスの要素を取入れることで、社会の持続的発展と共に企業の持続的成長も両立できると考え、水とエネルギーのプロフェッショナルという自社の強みを活かし、カンボジアで食用魚養殖事業とその収益を原資とした上下水インフラ整備を行うプロジェクトを立ち上げました。

このプロジェクトは、新産業創出による利益を全てカンボジア政府に寄付して、それを上下水道整備等の公共投資に回してもらう仕組みです。同社では、その公共工事を請け負うとともに、現地法人も設立して、公共事業の財源確保からインフラ整備に至るサイクルを確立しました。

 

このように中小企業がSDGsを活用することで企業イメージの向上や新たな事業機会の創出などの効果がもたらされるのです。

<記事提供:(株)日本ビジネスプラン>

(注意)
上記の記載内容は、2022年2月3日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年2月3日

自身の相続を考えると

 

 自身にもいつか起きる相続には、遺言を利用した被相続人の合理的な判断が欠かせません。配偶者には残された人生を安心して過ごすための財産の帰属、子供たちには将来の生活設計を考慮した財産の分配による合理的な判断が求められます。

 

◆法廷相続人と代襲相続の欠陥

 遺言がない場合の遺産分配は、法定相続と代襲相続が基準となります。法定相続は財産の分配ルールとして、代襲相続は相続開始以前に相続人となるべき者(被代襲者)の死亡などの場合、その相続分を被代襲者の直系卑属に相続させる合理的な制度です。

 一方、法定相続では財産は一律に分配されてしまいます。代襲相続では子が先に死亡していた場合、子の配偶者は代襲相続人になれないので、突然の経済的苦境に追い込まれてしまいます。相続人となるべきであった兄弟姉妹が先に死亡していた場合は、兄弟姉妹の子(甥、姪)が予期せぬ代襲相続人となってしまいます。このように、法定相続にも代襲相続にも、被相続人の意思は反映されず、相続争いの原因にもなります。

 

◆血は水よりも濃し

 血でつながった親族間では、他人同士の関係より比較にならないほどの強い愛情を無意識に駆り立てます。たとえば、3人姉妹は、喧嘩しても仲直りできますが、友人間では、いさかいがあるとそのまま別れてしまうこともあるでしょう。

 

◆兄弟は他人の始まり?

 しかし、3人姉妹が結婚後、親の財産を相続する場合、配偶者がいると、住む家を持つ者、持たない者、家族に病人がいる者、裕福な夫と結婚した者など、それぞれ境遇が貧しくても豊かでも、遺産分割協議では互いに譲らず、しばしば修復しがたい争いが起こります。親は血を分けた子供たちの間で争いが生じることを望んでいなかったはずですが、争いは3人姉妹が死亡した後も、それぞれの夫や子を巻き込み、収拾がつかなくなるかもしれません。

 

 

遺産分配は遺言で

 こうして考えると、被相続人としては、配偶者に財産をどのように帰属させるか、子供たちに財産をどのように分配するかをあらかじめ自分の意思で合理的に決定し、遺言しておくこと、さらに生前贈与や相続人の寄与分、配偶者の特別寄与料で調整し、そのうえで最後に法定相続分に委ねる遺産分配を考えることが大切になりそうです。

 

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年2月3日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年1月24日

住宅ローン減税、控除延長

 

 2022年度与党税制改正大綱が昨年12月に決定し、21年末に適用期限が切れるはずだった住宅ローン減税制度について、控除率を一律0.7%に引き下げた上で、新築の場合は控除期間を原則13年間に延長することで決着しました。

 

 現行制度では、所得税と住民税から差し引ける控除率は年末ローン残高の1%。これを一律0.7%に引き下げ、控除を受けられる期間を現在の10年間から新築住宅で13年間に延長します。ただし、中古住宅は10年間で据え置きます。

 

 控除の対象となるローン残高の上限は現在、環境に配慮した「長期優良住宅」で5000万円、その他の住宅は4000万円となっています。これを住宅の環境性能に応じて5000万円、4500万円、4000万円の3段階に分けます。環境性能が基準に満たない住宅の上限を3000万円に下げますが、こうした住宅は戸建て住宅の1割程度(19年度着工実績)に過ぎないため、実際にはほとんどのケースで上限は維持されることになりました。

 

 控除期間の延長は、中所得層以下への配慮が狙いです。年間の控除額は原則として最大40万円、10年間で400万円となっていますが、政府の試算では年収約600万円の一般的な世帯の場合、所得税と住民税の10年間の最大控除額は300万円程度にとどまり、制度の恩恵を十分に受けられていませんでした。期間を13年間に延ばすことで中所得層が控除を受けられる総額を増やす狙いがあるそうです。

 

 

 自民党税制調査会の宮沢洋一会長は控除規模の縮小を目指していました。一方、財務省によると、今回の制度改正では税収の増減はほとんどないとみられるといいます。自民党内からは「コロナ禍での景気刺激策として制度維持を位置づけるべきだ」「夏に参院選がある。自民党を支持する30~40代の子育て世代のために制度は必要だ」などといった声が数多く上がり、減税規模の縮小には至らなかった形です。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年1月24日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年1月24日

申告漏れが多い業種、顔ぶれガラリ

 

 国税庁がこのほど公表した2020事務年度の所得税調査の実績によれば、個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が最も高額だった業種は、プログラマーでした。コロナ禍で実地調査件数が減少するなかで、当局が1件当たりの〝成果〟を重視した結果、上位の顔ぶれががらりと変わる結果となっています。

 

 20事務年度にトップだったプログラマーの1件当たり申告漏れ所得金額は4927万円。以下、2位が畜産産業(肉用牛)の3515万円、内科医の3339万円と続きます。プログラマーについては、暗号資産などの自動売買プログラムといったソフトの開発を手がけたプログラマーが約2億円の所得隠しを指摘されたケースもあり、こうした数字も反映されました。

 

 例年であればトップ3の常連だった「夜の職業」関連では、キャバクラが2834万円で4位に名を連ねましたが、23年連続で上位5位に入っていた風俗業はランキングから外れました。風俗業はコロナ禍の影響を最も受けた業種の一つであり、利益が激減したため調査先に選ばれにくかったことが影響したとみられます。

 

 業種ごとの1件当たりの追徴税額を前年度と比べてみると、前年はランクインしていた土木工事、ダンプ運送、タイル工事、冷暖房設備工事などはいずれも1件当たり100万円台にとどまりました。一方、今年度に新たにランクインした業種をみると、太陽光発電825万円、建築士624万円、小売業・犬456万円、不動産代理仲介614万円など前年より高額化が目立ちます。コロナ禍で実地調査の件数を減らさざるを得ないなかで、1件当たりの〝取れ高〟を重視した当局の姿勢が表れたものといえそうです。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年1月24日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年1月17日

半数の企業が賃上げ予定

 

 2022年度(22年4月~23年3月)に賃上げを予定している企業が約半数に上ることが帝国データバンクのアンケートで判明しました。賃上げした企業を対象とする優遇税制の内容次第では、最大で8割の企業が支給額を引き上げるとの結果も出ています。新型コロナウイルスの感染者数が減少して以降、多くの企業が従業員の定着や確保を急ぐ実態が浮かび上がっています。

 

 政府・与党は賃上げをした企業を対象とする税制優遇について、控除率の大胆な引き上げなど制度強化を表明していますが、同社のアンケートで「税制優遇幅にかかわらず賃上げを行う」と回答した会社は48.6%に上りました。次いで「現状では賃上げできないが、税制優遇が大きくなれば行う」が8.5%、「現状では賃上げできないが、税制優遇が大きくなれば検討する」が22.3%でした。税制優遇が大きくなれば8割近い企業が賃上げに前向きという結果となっています。一方、「税制優遇幅にかかわらず賃上げできない」とした会社も8.1%に上り、厳しい経営環境が続く実態もうかがえます。

 

 「税制優遇幅にかかわらず賃上げを行う」とした企業を規模別に見ると、大企業では53.6%、中小企業では47.9%といずれも約半数に上りました。一方、比較的財務力が乏しい小規模企業は37.6%にとどまりました。また小規模企業では賃上げできないと考える企業が13.5%となり、全体の平均(8.1%)を大幅に上回りました。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

(注意)
上記の記載内容は、2022年1月17日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年1月17日

国の金融支援策 周知進まず

 

 金融機関に対し経営者の個人保証を外すよう求める国の「経営者保証に関するガイドライン」について、7割近くの経営者が内容を理解していないことが分かりました。国のほかの金融支援策も同様に認知されておらず、民間金融機関による周知が不十分であることが背景にあるとみられています。調査は東京商工会議所が東京23区内の中小事業者を対象に実施し、1524者から回答を得たものです。

 

 中小企業庁が策定する「経営者保証に関するガイドライン」は、一定の条件を満たす場合に経営者の個人保証を免除するよう金融機関に求めた指針のこと。法人と個人が明確に分離されていることなどを条件に経営者による個人保証を求めないよう規定する内容で、2013年から導入されています。

 

 東商の調査によると、「経営者保証に関するガイドライン」について「名称のみ知っている」(32.5%)、「知らない」( 36.0%)と、制度の内容を理解していない事業者が多数を占めることが分かりました。「名称・内容ともに知っている」とした事業者は31.5%にとどまっています。

 

 制度周知が進まない背景には、民間金融機関からの説明が不十分なことがあるようです。取引のある金融機関から「説明がなかった」とした事業者は45.9%と半数近くを占め、また「パンフレット等で周知されたが、説明された記憶はない」も11.8%に上りました。説明を受けた事業者は3割を下回り、「説明があった」は20.1%、「説明があり保証をはずした(はずす予定)」は8.4%にとどまりました。 

 

 経営者保証に関するガイドラインに限らず、国の中小企業金融支援策に対する認知度は低いのが現状です。コロナ禍の影響で資金繰りが悪化した事業者に対し1年間の元金返済を猶予する「新型コロナ特例リスケジュール」については「知らない」が66.8%に上りました。また融資や補助金の申請に活用可能とされる経済産業省の企業診断ツール「ローカルベンチマーク」についても82.3%が知りませんでした。経営改善計画の策定にあたり税理士などの専門家費用の3分の2(上限20万円)が補助される「経営改善計画策定支援事業」についても、71.0%の事業者が把握していませんでした。  

 

<情報提供:エヌピー通信社>

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年1月17日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年1月12日

相続登記が義務化されます

 

◆相続登記は3年以内に

 令和3年4月に成立した改正不動産登記法では、不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請が義務付けられました。これまで登記未了であった全ての不動産にも適用され、正当な理由のない申請漏れは、10万円以下の過料の対象となります。新制度は成立後3年以内、令和6年までに施行される予定です。経過措置により施行日前の相続・遺贈の場合、令和6年までの施行から3年間が登記申請義務の履行期間となります。

 

◆新たに相続人申告登記制度がスタート

 相続人の申請義務を簡易に履行できる「相続人申告登記制度」が新設されました。相続登記されないまま長期化すると所有者不明土地を生み、行政に支障をきたす原因にもなります。このため、相続人申告登記では遺産分割未了であっても登記名義人について相続が開始したこと、相続人の氏名・住所を登記に付記することで登記義務を履行できることとしました。遺産分割未了のため、持分の登記はありません。後日、遺産分割協議が整ったときは遺産分割成立日から3年以内に、協議の結果を踏まえた登記申請が義務付けられます。

 

◆とりあえず法定相続分での登記に注意!

 もちろん、遺産分割未了の状態であっても従前どおり相続開始後3年以内に、とりあえず法定相続分で暫定的な登記を行い、遺産分割協議が調った後に登記し直すことも可能です。

 しかし、法定相続分で登記をしても遺産分割協議前であれば不動産の利用、売却等には共有者の間で何らかの同意が必要となります。相続人が死亡すると権利者は更に増えて、遺産分割は難航必至です。

 

◆相続人申告登記も遺産分割は先送りのままに

 相続人申告登記を行って遺産分割協議を続行する場合も、民法上は、法定相続分で共有されたままですので、不動産の利用、売却等に際し、共有者の間で同意が必要となることに変わりなく、相続人申告登記も遺産分割の先送りに過ぎません。 

 

◆それぞれの事情を斟酌した遺産分割協議を

  相続した不動産は相続人の居住用とするか、賃貸用とするか、売却をいつするかなど有効利用をはかり、そのうえでそれぞれの相続人の事情を斟酌した速やかな遺産分割協議ができるかがポイントになるのではないでしょうか。  

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年1月12日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年1月12日

採用コスト見直しと内定辞退を防ぐ

 

◆採用費の基本コスト

 小規模な会社にとってコストを抑えた採用活動は重要です。採用経費はどのように見直していけばよいのでしょうか?

 採用費用を見直しするには採用活動の中でどのようなことを行わなければならないかを確認し、その上で自社の採用活動に合ったコスト配分を行わなければなりません。採用に掛かる一般的な諸経費としては、

・採用サイト掲載料……無料の媒体もありますが、効果のほどは芳しいとはいいがたいものです。だからといって高い費用の広告媒体で出しても内容が求職者に引き付けられるものがないと応募につながりません。

・パンフレット、案内書など作成費用

・採用ホームページの作成

・新卒の場合は学校回り交通費等

・会社説明会を行う場合は貸会議室代等

・応募者の交通費、文書等諸経費

・内定者に対する懇談会等

新卒ではなく中途採用であれば就職サイトや応募者用パンフレット、採用HPなどは最低限の費用を基準に自社にとって良い結果を出せる業者の選定が必要です。

募集したい対象が老若男女の誰なのかで利用する媒体も変わります。業者選定は知名度が高いというのでなく、結果を出せそうな業者を検討するのが望ましいでしょう。2~3社の業者で見積もってみましょう。

 

◆採用活動期間の延長はコストが上がる

 採用活動が延びるほど労力や費用等コストが掛かってしまいます。

最も有効な採用コスト削減方法は応募者の辞退を減らすことです。採用活動を長引かせないように、良いと思った人材は選考中、内定後の辞退を減らす必要があります。

 辞退者を減らすには応募者に一番近い社員である採用担当者や面接官の人柄といった自社の社員力が重要になってきます。

応募者からすると採用担当者は会社のイメージというように見られています。そのことを意識して応募者の志望度を上げていきます。また、内定を出したら入社承諾書にサインをもらいましょう。それでも本人の心が迷っている場合もあります。地方出身者で若い人には、家族にも会社からお知らせする等のフォローが必要かもしれません。メールなどで定期的に様子を知らせたり懇親会を開いたりするのもよいでしょう。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年1月12日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年1月5日

国税庁:適格請求書発行事業者の登録申請での注意事項を公表!後編

 

 氏名は住民票等に記載された漢字(字体)を正しく記載することや、常用漢字等を使用して公表するので、申請書に記載された文字と公表される文字とが異なる場合があることをそれぞれ注意事項として挙げております。

 

 個人事業者に対しては、【代表者氏名】欄への記載は、法人事業者のみ必要なので、個人事業者は、記入しないよう注意を促しております。

 法人事業者及び個人事業者の共通注意事項として、【事業者区分】欄において、「課税事業者」/「免税事業者」のいずれかにチェックが入っているかを確認することや、【次葉】において、「登録要件の確認」欄は全ての事業者が記載する必要があり、記載漏れがないかの確認を求めております。

 

 また、登録申請手続きはe-Taxで行うことができますが、送信にあたり、注意すべき事項として、一度送信した後、後日同じ内容で再送信するケースが見受けられることから、「受信通知」を確認して、二重送信とならないように注意を促しておりますので、該当されます方は、あわせてご確認ください。

 

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年1月5日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

■2022年1月5日

国税庁:適格請求書発行事業者の登録申請での注意事項を公表!前篇

 

 すでに消費税インボイス制度における適格請求書発行事業者の登録申請が2021年10月1日から開始されておりますが、国税庁は、適格請求書発行事業者の登録申請書の提出にあたり、記載漏れ、記載誤り、二重送信が見受けられることから、これらの記載誤り等がある場合は、審査に通常よりも多くの時間を要することとなるので、提出前に誤り等がないか確認のうえ、提出するよう注意を呼びかけている。

 

 申請書の記載にあたり、注意してほしい事項として、法人事業者に対しては、【住所又は居所(法人の場合)本店又は主たる事務所の所在地】欄へ、登記上の所在地を正しく記載し、建物名、部屋番号も正確に記載することを挙げております。

 

 【氏名又は名称】欄では、登記上の法人名の正しい記載や、大文字・小文字、アルファベット表記・カナ表記も正確に記載することを求めております。

 また、同様に【氏名又は名称】欄では、個人事業者に対し、屋号を公表したい事業者は、別途「公表申出書」の提出が必要なことや、「氏名又は名称」欄へ屋号は記載しないことを求めております。

 

(注意)
上記の記載内容は、2022年1月5日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。